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沢井製薬 長期ビジョン「Sawai Group Vision 2030」を発表 未病・予防でも「健康を支える存在に」

公開日時 2021/05/14 04:52
沢井製薬の澤井光郎代表取締役会長は5月13日の決算会見で、2030年度を見据えた長期ビジョン「Sawai Group Vision 2030」を発表した。澤井会長は、後発品の浸透が進むなかで、ジェネリックビジネスは「変曲点を迎えている」との認識を示した。そのうえで、高齢化の進展に伴って健康寿命の延伸へのニーズが高まる時代の要請に応え、ジェネリックビジネスに加えて、新薬やデジタル・医療機器、健康食品といった新規事業に参入すると決意を示した。医薬品だけでなく、複合的な製品、サービスの提供を視野に入れる。これにより、2030年度に売上高4000億円、ROE10%以上を達成したい考えだ。澤井会長は、「医療だけでなく、未病、予防それぞれのフェーズで人々の健康を支える存在になりたい」と語った。

澤井会長は冒頭で、沢井製薬のこれまでの歩みを振り返り、「事業自体が社会貢献そのものという会社だ。医療費の増大という社会的課題に対して高品質、高付加価値、先発品に比べ低価格なジェネリックを一番手で上市し、安定供給し続けることが社会に対する一番の貢献だと考えている」と述べた。そのうえで、「患者さんの健やかな暮らしの実現と医療費の削減による持続可能な社会への貢献を通じて成長するサイクルこそが沢井製薬のビジネスモデルだ。これからも変わることなく社会課題への解決への取り組みを通じて成長を実現する」と語った。

◎「ジェネリック業界も生き残りをかけた転換期を迎えることになる」

一方で、ビジネス環境は変化の時を迎えている。澤井会長は、「ジェネリック業界も生き残りをかけた転換期を迎えることになる」との見方を示した。後発品80%目標が掲げられ、急速な成長を遂げてきたジェネリックビジネスだが、「80%近くまで成長したが、過去のような成長を期待することは困難だ。品質問題もあり、量的拡大から品質確保、安定供給、情報提供、開示の時代へと大きく流れが変わる」と澤井会長は話した。頻回の薬価改定の影響などで、「成長組と、ゼロ成長とマイナス成長組に分かれ、再編が加速する可能性がある」との見方を示した。

さらに、国民の意識も変化している。高齢化に伴って、ヘルスケアのニーズが多様化、高度化していると指摘。「これらの機会を的確にとらえ、ジェネリック事業を発展、拡大させるとともに、新規事業に経営資源を投入することで新たな成長を実現する」と表明。「プライマリケア領域におけるリーディングカンパニーとして、これまでにない治療機会を提供するイノベーターとして、サワイグループとしての事業基盤を強化していく」と語った。ジェネリック医薬品事業を中核に、予防から治療まで幅広い範囲で、医薬品だけでない選択肢を提供する考えで、①希少疾患新薬開発、②デジタル・医療機器事業、③健康食品事業―に参入する。

◎日本市場最低でもシェア20%以上 「社会インフラ企業として、なくてはならない企業に」


2030年度には売上高4000億円の達成を目指す。なかでも、日本でのジェネリックビジネスでは2600億円の目標を掲げる。澤井会長は、「日本市場は最低でも20%以上のシェアを目指し、230億錠以上の生産能力体制を整え、全医薬品メーカーでナンバーワンの200憶錠を販売し、医薬品の社会インフラ企業としてなくてはならない企業となり、社会的責任を果たしていく」と意気込んだ。なお、新規事業で800億円、米国事業では600億円の売上を目指す。

◎新中計「START 2024」 新規事業には300億円を投資

同日は、2023年度を最終年度とする3か年の新中期経営計画「START 2024」も公表した。①国内ジェネリック市場におけるシェア拡大、②⽶国事業における将来の成⻑に向けた事業投資、③新たな成⻑分野の開拓―が柱。ジェネリック市場について澤井健造代表取締役社長は、「シェア拡大の最も重要なドライバーは新製品」として、今後も同社の強みである知財戦略などを活かし、単独参入などを進めていきたいとの考えを示した。新規事業には、期間中に300億円の投資枠を設定する。

澤井社長は、「ジェネリック医薬品事業がまず基盤にあるということ。それがしっかりうまくやっていけることが前提で、そのうえでの新規事業だ」と述べた。そのうえで、「ジェネリック医薬品は、国民や患者にとって最も身近な医薬品だ。インフラそのものといっても過言ではない。患者さんとの距離の近い我々だからできること、ジェネリックの供給と共にできること、という観点で事業を展開していきたい」と意気込みを語った。

◎20年度決算 売上高2.6%増 国内薬局市場、新薬が好調

同社の20年度売上高は前年同期比2.6%増の1872億1900万円。国内売上高は1535億8400万円。病院市場は薬価改定や新型コロナによる受診抑制の影響を受け、採用金額は前期比2.5%減となったが、薬局市場は新製品や主力品の採用が順調に推移し、前期比10.2%増と2桁成長した。また、2020年度に上市した新製品が好調だった。骨粗鬆症治療薬・エディロールなど、競合品の少ない品目が売上を押し上げた。

一方、米国市場は、受診抑制やインフルエンザが流行しなかったことの影響で、急性期ブランド製品へのマイナス影響が響き、前年度の売上高を下回った。21年度も、日本市場は新製品の売り上げなどで伸長を計画する。

【20年度連結業績(前年同期比) 21年度予想(前年同期比)】
売上高 1872億1900万円(2.6%増) 1964億円(4.9%増)
国内売上高 1535億8400万円 1637億円
営業利益 188億8800万円(29.5%減) 264億円(39.8%増)
親会社帰属純利益 123億4000万円(36.0%減) 195億円(6.6%減)


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