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薬食審・第一部会 新薬7製品を審議、承認了承 脊髄性筋萎縮症で初の経口薬エブリスディなど

公開日時 2021/05/27 04:51
厚生労働省の薬食審・医薬品第一部会は5月26日、新薬7製品の承認可否を審議し、いずれも承認することを了承した。この中には、脊髄性筋萎縮症に対する初の経口薬エブリスディドライシロップ(一般名:リスジプラム、中外製薬)や、新規機序の2型糖尿病治療薬ツイミーグ錠(イメグリミン塩酸塩、大日本住友製薬)、初の短腸症候群治療薬レベスティブ皮下注用(テデュグルチド(遺伝子組換え)、武田薬品)が含まれる。

また、片頭痛に対する抗体製剤として2番手となるアジョビ皮下注(フレマネズマブ(遺伝子組換え)、大塚製薬)と、アイモビーグ皮下注(エレヌマブ(遺伝子組換え)、アムジェン)もある。

いずれも6月に正式承認されるとみられる。

【審議品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)

エブリスディドライシロップ60mg(リスジプラム、中外製薬):「脊髄性筋萎縮症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。

中枢神経系及び全身のSMNタンパクレベルを増加させるように創製されたSMN2スプライシング修飾薬。運動神経及び筋肉機能をよりよくサポートするため、SMN2遺伝子から機能性のSMNタンパクの産生を増加するように設計されている。

正式に承認されれば、脊髄性筋萎縮症(SMA)に対する初の経口薬となる。生後2か月以上2歳未満の患者にはリスジプラムとして0.2mg/kgを1日1回食後に経口投与する。2歳以上の患者にはリスジプラムとして体重20kg未満では0.25 mg/kgを、体重20kg以上では5mgを、1日1回食後に経口投与する。

SMAの原因遺伝子はSMN遺伝子で、SMN1遺伝子の機能不全に加え、SMN2遺伝子のみでは十分量の機能性のSMNタンパクが産生されないため発症する。SMAは遺伝性の神経筋疾患で、脊髄の運動神経細胞の変性によって筋萎縮や筋力低下を示す。乳幼児で最も頻度の高い致死的な遺伝性疾患。乳児期から小児期に発症するSMAの患者数は10万人あたり1~2人とされる。

海外では20年12月時点で米国を含7の国または地域で承認済。

ウパシタ静注透析用25μgシリンジ、同50μgシリンジ、同100μgシリンジ、同150μgシリンジ、同200μgシリンジ、同250μgシリンジ、同300μgシリンジ(ウパシカルセトナトリウム水和物、三和化学研究所):「血液透析下の二次性副甲状腺機能亢進症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。

静注CaSR(カルシウム感知受容体)作動薬。透析経路から投与する注射薬で、副甲状腺のCaSRに作用して副甲状腺ホルモン(PTH)の過剰な分泌を抑制する。透析患者は飲水量が厳しく制限されている中で、多くの薬を内服することが負担になっているとされる。注射薬とすることで、内服の負担をなくし、確実な投与も期待する。

二次性副甲状腺機能亢進症(SHPT)は、慢性腎臓病(CKD)の進行に伴って発症する合併症のひとつで、副甲状腺からPTHが過剰に分泌される病態。PTHが過剰に分泌されると骨からリンおよびカルシウムの血中への流出が促進され、結果、骨折や、心血管系への石灰化による動脈硬化などの発症リスクが高まり、生命予後に影響を及ぼすとされている。

同一の効能・効果の静注CaSR作動薬にパーサビブ静注透析用(エテルカルセチド塩酸塩)がある。海外では開発していない。

レベスティブ皮下注用3.8mg(テデュグルチド(遺伝子組換え)、武田薬品):「短腸症候群」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。

天然型ヒトGLP-2の新規遺伝子組換えアナログ。33個のアミノ酸からなるペプチドでGLP-2と同様の機序を介して作用し、腸管吸収機能の改善を促す。同剤は日本外科学会から厚労省に開発要望が提出され、医療上の必要性が高い未承認薬・適応外薬検討会議の議論を経て厚労省から開発要請がなされたもの。

正式承認されると、初の短腸症候群(SBS)に対する治療薬となる。テデュグルチドとして1日1回0.05mg/kgを皮下注射して用いる。

SBSは極めてまれで重篤な慢性疾患。食事から十分な水分や栄養を吸収できず、生命を維持するために静脈栄養が必要な場合がある。外傷やクローン病、塞栓症のような血管合併症などによる小腸の大量切除や先天性の欠損をはじめとするさまざまな原疾患によってSBSに至り、病態も多岐にわたる。多くの患者で腸管機能が順応していくが、なかには生涯にわたり静脈栄養が必要となる患者もいる。また、SBS患者は栄養失調、脱水、下痢、疲労、脱力などの多くの症状を抱えながら生活している。

海外では21年3月時点で、40か国以上で承認済。

ツイミーグ錠500mg(イメグリミン塩酸塩、大日本住友製薬):「2型糖尿病」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。

ミトコンドリアの機能を改善する新規機序の医薬品。インスリン分泌を担う膵β細胞のミトコンドリア機能改善によるインスリン分泌促進、ならびに肝臓、筋肉等のインスリン感受性のある臓器及び組織のミトコンドリア機能改善によるインスリン抵抗性の低下等により血糖コントロールを改善させると考えられている。申請に用いた臨床試験では、単剤療法のほか、既存の経口血糖降下薬やインスリン製剤との併用療法のいずれにおいても有効性、安全性、忍容性が確認されたとしている。

通常、成人はイメグリミン塩酸塩として1回1000mgを1日2回朝、夕に経口投与して用いる。

海外では21年3月時点で、承認されている国・地域はない。

ギブラーリ皮下注189mg(ギボシランナトリウム、Alnylam(アルナイラム)Japan):「急性肝性ポルフィリン症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。

アミノレブリン酸合成酵素1(ALAS1)を標的とするRNA干渉(RNAi)治療薬。ALAS1メッセンジャーRNA(mRNA)を特異的に低下させることで、急性肝性ポルフィリン症(AHP)の発作やその他の症状の発現に関連する毒性を減少させる。通常、12歳以上の患者には、ギボシランとして2.5mg/kgを1か月に1回皮下投与で用いる。

AHPは重症かつ原因不明の腹痛や、嘔吐、けいれんなどの消耗性の発作を特徴とする遺伝性の希少疾患。発作中に麻痺や呼吸停止の可能性もあることから生命を脅かす危険もある。AHPの多くの患者で、発作と発作の間も持続する疼痛などの慢性症状を伴い、日常機能とQOLに悪影響を及ぼす。

海外では21年3月時点で、5つの国・地域で承認済み。

アジョビ皮下注225mgシリンジ(フレマネズマブ(遺伝子組換え)、大塚製薬):「片頭痛発作の発症抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。

抗CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)モノクローナル抗体。CGRPは片頭痛発作時に三叉神経節ニューロン及び硬膜を含む三叉神経の末梢で高度に発現する神経ペプチド。血中CGRP濃度の増加に伴って片頭痛及び群発頭痛といった疼痛症候群が生じる。同剤はCGRPに結合し、その生理活性を阻害することで、片頭痛発作の発症を抑制すると考えられている。

通常、成人にはフレマネズマブとして4週間に1回225mgを皮下投与するか、12週間に1回675mgを皮下投与して用いる。

既承認の片頭痛に対する抗体製剤として、エムガルティ皮下注(ガルカネズマブ(遺伝子組換え))がある。

海外では21年2月時点で、片頭痛の予防に係る効能・効果で欧米を含む40以上の国・地域で承認済。

アイモビーグ皮下注70mgペン(エレヌマブ(遺伝子組換え)、アムジェン):「片頭痛発作の発症抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は10年。

抗CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)受容体モノクローナル抗体。CGRPはカルシトニンファミリーに属する37個のアミノ酸から構成される神経ペプチドで、片頭痛発作時に血中CGRP濃度が増加することが報告されている。同剤はCGRP受容体に結合し、CGRPの生理活性を阻害することで、片頭痛発作の発症が抑制されると考えられている。

通常、成人にはエレヌマブとして70mgを4週間に1回皮下投与で用いる。

なお、この日の部会では、同剤の再審査期間が8年ではなく、初回承認から10年とすることが審議され、了承された。同剤の小児に係る開発が進んでおり、小児に係る承認申請は主要解析結果を用いる場合は25年第3四半期、最終解析結果を用いる場合は26年第3四半期に予定されていることが勘案され、初回承認時から2年間延長することが適当とされた。

既承認の片頭痛に対する抗体製剤として、エムガルティ皮下注(ガルカネズマブ(遺伝子組換え))がある。

海外では21年2月時点で、欧米を含む67の国または地域で承認済。

【報告予定品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
報告品目は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せず、報告のみでよいと判断されたもの。

ゼオマイン筋注用50単位、同筋注用100単位、同筋注用200単位(一般名:インコボツリヌストキシンA、帝人ファーマ):「下肢痙縮」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。再審査期間は残余期間(2028年6月28日まで)

有効成分のインコボツリヌストキシンAは、A型ボツリヌス菌により産生されるA型ボツリヌス毒素から菌由来の複合タンパク質を取り除いたもの。これにより中和抗体ができにくくなる。現在は上上肢痙縮を効能・効果とし、今回、下肢痙縮の効能を追加する。

海外で下肢痙縮に係る適応で、メキシコ及びキューバで四肢を限定しない痙縮を適応に承認されているが、他の国または地域では承認されていない。

セルセプトカプセル250、同懸濁用散31.8%(ミコフェノール酸モフェチル、中外製薬)
ミコフェノール酸モフェチルカプセル250mg「ファイザー」(ミコフェノール酸モフェチル、マイラン製薬)
:いずれも「造血幹細胞移植における移植片対宿主病の抑制」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。未承認薬・適応外薬検討会議開発要請品目。事前評価済公知申請。

両剤とも、活性体であるミコフェノール酸のプロドラッグで、ミコフェノール酸の核酸合成阻害作用によりリンパ球の増殖を抑制する。

造血幹細胞移植における移植片対宿主病(GVHD)は、移植関連死の主要な一因。GVHDの予防を目的にシクロスポリンやタクロリムスなどの免疫抑制剤が投与される。GVHDの一次治療にはステロイドが使われる。二次治療としては抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブリン、ヒト間葉系幹細胞が承認されている。
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