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米FDA  COVID-19治療薬ソトロビマブにEUA発行 GSKと米Vir Biotechnology Inc社の共同開発

公開日時 2021/05/31 04:50
米食品医薬品局(FDA)は5月26日、英グラクソ・スミスクライン(GSK)および米Vir Biotechnology Inc社の抗体医薬ソトロビマブ(一般名)について、12歳以上の小児および成人(少なくとも体重40kg=約88ポンド以上)における入院もしくは死亡を含むCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)重症への進展のリスクが高い軽度から中等度のCOVID-19治療薬として緊急使用許可(EUA)を発行した。

ソトロビマブは、単回投与の静脈注射剤(500mg)である。同剤について、COVID-19による入院患者および酸素吸入を要する患者に対しては、EUAは発行されていない。

同剤の無作為化二重盲検プラセボ対照臨床試験(583例)では、プラセボ投与群(292例)では21例(7%)が入院もしくは死亡、同剤投与群(291例)では3例(1%)が入院もしくは死亡の結果を示し、同剤投与群は入院・死亡リスクを85%減少させた。

FDAのPatrizia Cavazzoni医薬品評価研究センター(CDER)長は、「このモノクローナル抗体療法で、我々はCOVID-19のハイリスク患者を入院させないことに役立つ新たなオプションを提供できる」と述べたうえで、「米国での蔓延する(ウイルスの)変異に対する活性を保持する可能性が期待されるモノクローナル抗体療法という武器を増やすことが重要である」と同剤の登場を歓迎した。

Vir Biotechnology社のGeorge Scangos CEOは、「私は、ソトロビマブが現在のパンデミック同様今後起こりうるコロナウイルスのアウトブレイクにもその戦いにおける重要な新規オプションであると信じている。Virとして、我々の目的は、COVID-19に対する臨床的に有効な治療法を提供するばかりでなく、SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)変異や明日のパンデミックに対する有効な治療法を提供することだ」と今後のパンデミック時の感染症治療薬開発にも意欲を示した。

GSK社のHal Barron CSO(最高科学責任者)兼R&D部門長は、米国ではワクチン接種が進んでいるが未だ感染者を合併症から救う必要があると指摘したうえで、「Vir社との協力を開始してほぼ1年、臨床試験を開始して10か月足らずで、本日、このユニークなモノクローナル抗体のベネフィットを必要な患者に提供できることを喜んでいる」と話した。

GSK社とVir社は、2020年4月に新型コロナウイルスを含むコロナウイルス感染症治療薬・ワクチンについて、Vir社の持つモノクローナル抗体プラットホームとGSKの得意とする機能ゲノミクス、CRISPRスクリーニング技術(ゲノム編集)やAI技術などを活用、研究・開発を共同で行う提携を行った。
 
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