無症状から中等症の新型コロナへのフオイパン投与 国内フェーズ3で有効性示せず 小野薬品
公開日時 2021/06/14 04:51
小野薬品は6月11日、新型コロナウイルス感染症を対象とした膵炎治療薬・フオイパン(一般名:カモスタットメシル酸塩)の国内臨床第3相試験の結果、主要評価項目を達成しなかったと発表した。同社は結果を受け、新型コロナを対象とした同剤の開発を中止するとしている。
試験は、無症状から中等症の新型コロナ患者を対象に、フオイパン投与群77人、プラセボ投与群76人の2群にわけ、治療効果を比較した。フオイパンの投与量は1回600mg、1日4回で、それぞれ最大14日間経口投与した。主要評価項目は、SARS-CoV-2が陰性化するまでの期間。
同社は、フオイパンの有効性を示唆する基礎論文の報告や、ヒト血中濃度の関係性を踏まえ、健康成人を対象に既承認用量を超えた用量での安全性確認のために臨床第1相試験を実施し、その結果を踏まえて無症状から中等症の新型コロナ患者を対象とした臨床第3相試験の実施に踏み切ったが、有効性が確認できなかった。