製薬企業でもSNS活用する動き 塩野義はTwitterとインスタで情報発信
公開日時 2021/06/17 04:50
製薬企業でも、マーケティングのチャネルとしてSNSを活用する動きが見られ始めている。このうち塩野義製薬では、3月にTwitterとインスタグラムの公式アカウントを開設。プレスリリースのほか、同社が所有する植物園で見ごろの花の写真などを紹介し、企業全体の情報発信に力を入れている。
同社によると、運営はいずれも広報部のPRグループが担っている。Twitterでは、オンライン市民講座の情報のほか、記念日に関するうんちくなどを紹介。「和菓子の日」の16日には、「日本の伝統って素晴らしいですね。#シオノギも1878年創業の #老舗として、日本発の世界に誇れる会社でありたいと、日夜励んでおります」と発信するなど、企業の存在を身近に感じられるようなツイートを発信している。またインスタグラムでは、同社の所有物である大正時代に使われていた顕微鏡や、江戸時代に書かれた薬や病に関する広告用の版画・絵びらなど、同社の歴史を感じる投稿もある。
企業のSNSをめぐっては、大手電機メーカーのシャープのTwitterが80万人を超えるフォロワーを獲得し、ツイートが話題になるなど、多くの企業で導入されている。しかし、製薬企業では、オウンドメディア以外のツールを用いて情報を発信することのハードルの高さなどから、活用している企業はまだ一部にとどまっているのが現状だ。
塩野義製薬のSNSでは、いずれもフォロワーは約400人とまだ少ないが、同社広報部では、「製品広告ができないというルールのなかで企業のことをより多くの人に知ってほしい」とコメント。今後もSNSを1つのツールとして、幅広い分野の情報発信に力を入れていく考えだ。