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GE薬協・田中政策実務委員長 厚労省の医薬品産業ビジョンで焦点の共同開発は「安定供給とは別の問題」

公開日時 2021/06/21 04:51
日本ジェネリック製薬協会(GE薬協)の田中俊幸政策実務委員長(東和薬品)は6月20日、日本ジェネリック医薬品・バイオシミラー学会で講演し、厚労省が8月を目途に策定を進める医薬品産業ビジョンで記載される方向性の共同開発の問題点について、「安定供給とは別の問題だ」と強調した。医薬品産業ビジョンは、小林化工や日医工が薬機法違反で行政処分を受けたことを踏まえ、ジェネリック業界の健全な発展を促す内容となる見通し。現状の問題点として、「共同開発により責任ある供給体制が見えづらくなっている」と指摘し、これが欠品などにつながっているとの認識を示している。田中実務委員長は、GE薬協で新たな産業ビジョンの策定に向けた検討を進めており、8月以降にも公表する考えを示した。このなかで国への提言にも意欲を示し、「我々としても取り組んでいかないといけないことは多々あるが、それも取り組みながら行政の方とお話をしていきながら、しっかりと信頼性のある業界にしていきたい」と述べた。

厚労省が策定に向けて検討を進めている医薬品産業ビジョンは、小林化工と日医工の薬機法違反による業務停止を踏まえ、ジェネリック業界の安心感を取り戻すことが主眼となっている。「量から質(品質と安定供給の両面)へ」の転換の重要性を強調。GQP、GMPを遵守できるような製造販売業者としての体制確立ができない企業は受託企業(CMO)化するなど、再編の道筋を示す内容となっている。特に問題点として、2005年から後発品で規制緩和された共同開発をあげ、「製造販売業者(メーカー数)の多さ、安易に共同開発にかかわる規制緩和を利用することにより安定供給の責任の所在が見えづらくなっている」と指摘した。厚労省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課は審査段階で共同開発であっても、自社製品と同様にデータを把握し、説明する責任を求め、それができない場合は承認を与えないことなどを検討している。さらに、先発品と同じ規格を求める“規格揃え”の在り方を含めて共同開発の見直しを進める考えだ。規格揃えの手段として共同開発が活用されているとの声があったことを踏まえている。

◎製造販売業者の体制確立できない企業のCMO化「現実的ではない」

田中実務委員長は、「共同開発の問題と安定供給の問題は別問題。回収の数が多いのは一部あるかもしれないが、審査管理課がしっかり取り組みをしていくということもある。規格揃えの問題は、共同開発とは別の問題だ。我々としても取り組んでいかないといけないことは多々あるが、それも取り組みながら行政の方とお話をしていきながら、しっかりと信頼性のある業界にしていきたい」と述べた。

製造販売事業者の多さについての指摘に対しても反論した。GE薬協加盟39社で「日本のジェネリック医薬品の3/4をカバーしている」と説明。後発品を収載する企業は200社程度あるが、「実際、会社の数全てに販売実績があるわけではない。ジェネリックを供給しているのは約25社で80%、23社で85%だ。初収載品を毎年出している会社は18社で、ただこのうち2社(日医工、小林化工)は今回不祥事を起こしたので、実際には16社だ。25社くらいが日本のジェネリック医薬品を支えている」と説明した。

また、厚労省がGQPを遵守できず、製造販売業者として体制を確立できない企業については受託企業(CMO)化することを提言していることに対しても、「製造販売業者として体制確立できていないところがメーカーになるのは現実的ではない」と反発した。

このほか、厚労省が現状を「医療上必要不可欠な医薬品のジェネリック依存度が上昇している」との基本認識を示していることについても、「もう少し的確な表現をしていただけないか。依存度ではなく、後発品の使用割合ではないか」などとも述べた。

◎GE薬協 新たな産業ビジョン公表へ 国への4つの提言も

一方で、GE薬協として、新たな産業ビジョンの策定に取り組んでいることも明らかにし、「厚労省の医薬品産業ビジョンが出た後に公表する」考えを示した。テーマは、“「ジェネリック80%時代に向けて」国民の医療を守る社会保障制度の持続性に貢献する”(仮)。「国への4つの提言」も盛り込む考えだ。①国民の健康・医療・介護における存在感の発揮、②グローバル化への果敢な挑戦、③地域包括ケアシステムの実現への貢献、④安定確保が持続可能となる薬価制度と流通の仕組みの構築―が柱。「バイオシミラーの金額目標を設定すべき」、「フォーミュラリガイドラインの策定において、一般名処方のさらなる促進策を図るべき」なども盛り込む考え。

◎今後のジェネリック業界は「成熟の時代」

田中実務委員長は後発品の使用促進が始まった2002年から現在までの道のりについて、「2002年から19年まで我々の業界としては主に成長の時代、つまり長期収載品からジェネリック医薬品に置き換わることがメーンの時代だった。これが、いよいよ80%以降ということは成熟の時代。しっかり維持し、ご活用いただける時代に入ると思っている。いままでは成長だったが、これからはしっかり足下を固めた成熟の時代に入っていく」と述べた。



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