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薬食審・第一部会 6製品の承認了承 フォシーガにCKDの効能追加も

公開日時 2021/07/28 23:00
厚生労働省の薬食審・医薬品第一部会は7月28日、6製品の承認を了承した。8月に正式承認される見通し。アストラゼネカのSGLT2阻害薬フォシーガへの慢性腎臓病(CKD)の効能追加も了承された。正式承認されれば、国内初のCKDに対する適応を持つ製品となる。また、加齢黄斑変性症治療薬ルセンティスは、千寿製薬のバイオ後続品(バイオシミラー、BS)の承認も了承された。承認されれば、ルセンティスのバイオシミラーは初となる。

【審議品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)

フォシーガ錠5mg、同錠10mg(一般名:ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物、アストラゼネカ):「慢性腎臓病。ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者は除く」を効能・効果とする新効能医薬品。再審査期間は4年。

SGLT2阻害薬。正式承認された場合、CKDの適応を有する初めての製品となる。これまではCKDに対してACE阻害薬やARBが使用されてきた。フォシーガのCKDに対する用法・用量は、「通常、成人にはダパグリフロジンとして10mgを1日1回経口投与する」となった。ただ、添付文書にて、投与患者は臨床試験デザインに基づき選択するよう注意喚起される予定で、実際にはACE阻害薬やARBなどと併用して用いることになる。

同剤の承認は、日本を含む21か国で実施された国際共同第3相臨床試験(DAPA-CKD試験)の結果に基づく。対象は、2型糖尿病の合併の有無によらずCKD患者4304例。CKDは、eGFR25以上75未満、かつアルブミン尿の増加が確認された患者と定義した。CKDの標準治療にフォシーガ10mg1日1回投与した群とプラセボ群で、有効性と安全性を比較検討した。この結果、主要評価項目に据えた複合エンドポイント(腎機能の悪化+心血管死+腎不全による死亡の発生)を有意に低下させた(p<0.0001)。安全性及び忍容性は、「同剤の確立されたプロファイルと一致していた」としている。海外では、CKDに対する効能・効果で、米国、ニュージーランド、インド、エクアドルで承認されている。

CKDは腎機能が低下することで起こる進行性の疾患。国内患者数は1330万人と推定されるが、その多くは診断されていない状態にある。透析のリスク要因であるだけでなく、心不全をはじめとした心血管疾患の発症リスクを増加させるため、早期診断・治療が重要とされている。

フェントステープ0.5mg、同テープ1mg、同テープ2mg、同テープ4mg、同テープ6mg、同テープ8mg(フェンタニルクエン酸塩、久光製薬):「非オピオイド鎮痛剤で治療困難な中等度から高度の疼痛を伴う各種がんにおける鎮痛(ただし、他のオピオイド鎮痛剤から切り替えて使用する場合に限る)」を効能・効果とし、小児用量を追加する新効能・新用量医薬品。再審査期間は4年。

選択的μオピオイド受容体作動性の強オピオイド鎮痛剤。今回、強オピオイド鎮痛剤で初の小児用量を有する薬剤となる。現在は成人のがん性疼痛を適応とし、久光製薬と協和キリンが共同販売している。

ウプトラビ錠0.2mg、同錠0.4mg(セレキシパグ、日本新薬):「外科的治療不適応又は外科的治療後に残存・再発した慢性血栓塞栓性肺高血圧症」を効能・効果とする新効能医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。

選択的プロスタサイクリン受容体(IP受容体)作動薬。IP受容体に対して選択的かつ持続的に作用することで血管拡張作用を示し、肺の血行動態を改善する。

慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)は国の指定難病で、肺血管の内部に器質化した血栓が詰まることにより、肺動脈へかかる圧力が上昇し、肺と心臓の血流が低下する疾患。進行すると心機能の低下により、足がむくみ、少し体を動かしただけでも息苦しいなどの症状が現れる。

治療法は、血栓を取り除く外科手術、カテーテルを用いて血管を広げる治療、肺動脈を広げる作用を持つ内服薬での薬物治療がある。国内患者数は約3800人とされる。日本では日本新薬とヤンセンファーマが共同開発、共同販促している。

海外では21年5月現在、CTEPHに対する適応で承認されている国・地域はない。

ダラキューロ配合皮下注(ダラツムマブ(遺伝子組換え)・ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)、ヤンセンファーマ)
ベルケイド注射用3mg(ボルテゾミブ、ヤンセンファーマ)
:いずれも「全身性ALアミロイドーシス」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。いずれも希少疾病用医薬品。いずれも再審査期間は10年。

全身性ALアミロイドーシスに対し、ヒト型抗CD38モノクローナル抗体/ヒアルロン酸分解酵素配合剤・ダラキューロ、プロテアソーム阻害薬・ベルケイドのほか、ステロイド製剤・デカドロン錠(一般名:デキサメタゾン、日医工)、アルキル化剤・注射用エンドキサン(同シクロホスファミド水和物、塩野義製薬)の計4剤を併用して用いる。デカドロンとエンドキサンはこの日の部会で効能及び用法の追加が報告された。

アミロイドーシスはアミロイドと呼ばれるナイロンに似た線維状の異常蛋白質が全身の様々な臓器に沈着し、機能障害をおこす病気の総称のこと。複数の臓器にアミロイド蛋白が沈着する全身性アミロイドーシスと、特定の臓器に限局してアミロイド蛋白が沈着する限局性アミロイドーシスに分類される。全身性アミロイドーシスのうち全身性ALアミロイドーシスは、異常形質細胞より産生されるアミロイド蛋白の沈着により多臓器障害を引き起こし、その臓器障害により生存率の低下や疾患の転帰に影響を及ぼす予後不良の疾患。

海外では、全身性ALアミロイドーシスに係る効能・効果で、ダラキューロは米国やカナダなどで承認されている。他の3剤は承認されている国・地域はない。

ラニビズマブBS硝子体内注射用キット10mg/mL「センジュ」(ラニビズマブ(遺伝子組換え)[ラニビズマブ後続1] 、千寿製薬):「中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性、病的近視における脈絡膜新生血管」を効能・効果とするバイオ後続品。再審査期間はなし。

眼科用VEGF阻害薬。先発品のルセンティスで初のバイオ後続品となる。先発品は5つの適応を持つが、再審査期間などの関係でバイオ後続品は2つの適応にとどまる。海外では21年4月現在、承認されている国・地域はない。

【報告品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
報告品目は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せず、報告のみでよいと判断されたもの。

リクシアナ錠15mg、同OD錠15mg(エドキサバントシル酸塩水和物、第一三共):「非弁膜性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制」を効能・効果とする新用量医薬品。再審査期間なし。

経口FXa阻害薬。出血リスクの高い高齢の非弁膜症性心房細動(AF)患者に対して、1日1回15mgに減量して使えるようにする。海外では今回のような出血リスクの高い高齢の非弁膜症性心房細動患者における特有の用法・用量は承認されていない。

デカドロン錠0.5mg、同錠4mg(デキサメタゾン、日医工)
▽注射用エンドキサン100mg、同500mg、同錠50mg(シクロホスファミド水和物、塩野義製薬)
いずれも「全身性ALアミロイドーシス」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。いずれも再審査期間なし。

全身性ALアミロイドーシスに対し、ヒト型抗CD38モノクローナル抗体/ヒアルロン酸分解酵素配合剤・ダラキューロ、プロテアソーム阻害薬・ベルケイドを含む計4剤併用で使用できる。

イヌリード注(イヌリン、富士薬品):「糸球体ろ過量の測定による腎機能検査」を効能・効果とする新用量医薬品。再審査期間なし。

18歳以下に対して、既承認のA法は頻回の採血、採尿、本剤投与前の飲水負荷が必要で負担が大きかったが、侵襲や負担を軽減したB法も選択できるようになる。海外ではイヌリンは承認されてないが、米国薬局方にはイヌリンが収載されている。

ニトプロ持続静注液6mg、同30mg(ニトロプルシドナトリウム水和物、丸石製薬):「急性心不全(慢性心不全の急性増悪期を含む)、高血圧性緊急症」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。事前評価済公知申請。再審査期間なし。

急性心不全、高血圧性緊急症の小児用量を追加する。日本小児循環器学会と日本小児麻酔学会より医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議に対し、同剤によるうっ血性心不全の治療及び高血圧性緊急症の治療の効能・効果、ならびに小児の用法・用量に関する開発要望が提出されていた。

海外で同剤は承認されていない。ただ、同一の有効成分を含有する製剤は欧米を含む18か国で承認されている。このうち、急性心不全の小児用量は米国を含む4か国、高血圧性緊急症の小児用量は米国を含む6か国で承認されている。欧州では急性心不全及び高血圧性緊急症の小児用量は承認されていない。
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