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大塚HD 21年計画を上方修正、グローバル4製品など好調 国内医療事業は厳しく

公開日時 2021/08/10 04:51
大塚ホールディングス(HD)は8月6日、2021年12月期の通期計画を上方修正すると発表した。連結売上は期初計画から570億円増の1兆4800億円と設定し、上場以来過去最高を目指す。事業利益は100億円増の2000億円と設定した。持続性抗精神病薬エビリファイメンテナなどグローバル4製品の想定以上の伸長や、グローバル展開している機能性飲料・食品などで構成するニュートラシューティカルズ(NC)関連事業の好調が理由となる。

21年は、抗てんかん薬イーケプラや抗がん剤スプリセルの契約満了に伴う約700億円の減収影響をどのようにカバーするかが経営課題のひとつ。当初、21年上期(1~6月)の連結売上は減収見通しとしていた。

しかし、医療関連事業のグローバル4製品(エビリファイメンテナ、抗精神病薬レキサルティ、V2-受容体拮抗薬サムスカ/ジンアーク、抗がん剤ロンサーフ)やNC事業などが想定以上に伸長し、イーケプラなどの減収影響を吸収。結果として上期は3.4%の増収を達成した。上期の好調な業績が下期も続くとみて、通期計画を上方修正した。

◎グローバル4製品 21年に計4800億円見込 計画を2年前倒しで達成へ

グローバル4製品の上期売上は、エビリファイメンテナが636億円(前年同期比7.9%増)、レキサルティが580億円(同6.5%増)、サムスカが437億円(同1.2%減)/ジンアークが481億円(19.7%増)、ロンサーフが227億円(同8.9%増)――だった。サムスカの減収は米国での後発品参入によるもの。サムスカと同じ成分で常染色体優性多発性のう胞腎(ADPKD)治療に用いるジンアークは、特に米国で医師へのコール数が回復し、再び成長路線に入った。

グローバル4製品の修正後の通期計画は、エビリファイメンテナが1315億円、レキサルティが1180億円、サムスカ/ジンアークが1850億円、ロンサーフが455億円――で、4製品合計で4800億円を目指す。この修正後の合計売上は、5カ年の現中期経営計画(19~23年)の最終23年の売上目標と同額で、2年前倒しで目標を達成する可能性がある。

◎「当初計画よりも早く成長」

大塚HDの樋口達夫社長兼CEOはこの日の21年12月期第2四半期決算会見(電話会議)で、「成長ドライバーであるグローバル4製品は当初計画よりも早く成長している」と述べ、現中期計画で掲げた目標の2年前倒しの達成に自信を見せた。

◎国内医療事業 21年通期は5.9%減収見込み

好調なグローバル事業が業績全体をけん引するなか、国内の医療関連事業は厳しい状況が続きそうだ。21年は特にイーケプラの契約満了による減収影響と、長引くコロナ禍による受診抑制の影響が色濃く表れた。22年は最主力品のサムスカに後発品が参入する可能性がある。

21年上期の国内医療関連事業の売上は2017億円で、前年同期比4.8%減だった。修正後の通期計画は4110億円で、前年同期比5.9%減となる見通しだ。主な減収理由は、▽イーケプラの共同販売契約が20年9月で満了し、21年は上期で約230億円、通期で400億円強の国内売上がなくなる▽長引くコロナ禍による受診抑制で、多くの国内主要製品が伸び悩んだ――ということ。サムスカなど一部を除く多くの主要製品で、期初に立てた通期計画を下方修正した。

なお、サムスカの修正後の通期計画は695億円で、期初計画から30億円上乗せした。上期はウェブ講演会などオンラインでの情報活動を強化。加えて、適応のひとつのADPKDに代替薬がないこともあり、同剤はコロナ禍においても処方数量と売上が伸びた。好調なトレンドが下期も続くとみて、通期計画を上方修正した。

◎サムスカの後発品参入影響 「21年計画におり込んでいない」

サムスカの特許切れ・後発品参入は21~22年頃と指摘されている。大塚HDは本誌取材に、「21年中に後発品は登場しないとみている。後発品の影響は21年計画におり込んでいない」と説明した。22年の後発品参入を見込んでいるかは、「開示していない」と答えた。

仮に22年に後発品が参入したとしても、例えばサムスカのADPKD適応は再審査期間が24年3月まで残っているため、後発品はいわゆる“虫食い効能”となりそう。

大塚グループはレキサルティ、エビリファイ持続性水懸筋注用(海外製品名:エビリファイメンテナ)、各種抗がん剤のほか、抗潰瘍薬タケキャブ、新規の慢性心不全薬エンレスト、8月12日に薬価収載予定の新規の片頭痛薬アジョビなどに注力して、サムスカの特許切れ影響の最小化を図るとみられる。

しかし、コロナ禍で新薬の市場浸透に時間がかかるうえ、後発品への置き換えスピードが欧米並みとなった日本で、年間売上700億円近くの大型品サムスカの減収影響を吸収するのは困難だろう。実際、コロナ禍になる前の19年に発表した現中期計画でも、国内医療事業は23年まで5年間の年平均成長率はマイナス1.3%で、21年から23年にかけて若干、右肩下がりのイメージ図を公開している。

こうなると国内の人員調整も気になるところだが、大塚HDは本誌に、「大塚グループのMRの削減など、決まっている事実は現時点ではない」とコメントした。

【連結業績(前年同期比) 21年予想】
売上高 7188億1500万円(3.4%増) 1兆4800億円(4.0%増)←修正前1兆4230億円
営業利益  1111億6900万円(5.8%減) 2080億円(4.7%増)←修正前1920億円
親会社帰属の純利益 914億700万円(5.3%増) 1650億円(11.4%増)←修正前1460億円

【グローバル製品売上(前年同期実績) 21年予想、億円】
エビリファイメンテナ 636(589)1315←修正前1280
レキサルティ 580(544)1180←修正前1105
サムスカ 437(442)870←修正前805
ジンアーク 481(401)980←修正前900
ロンサーフ 227(208)455←修正前435
*サムスカに日本のADPKD適応の売上含む。

【主要製品の国内売上(前年同期実績) 21年予想、億円】
エビリファイメンテナ 49(47)105←修正前130
レキサルティ 60(57)128←修正前150
サムスカ 344(321)695←修正前665
ロンサーフ 34(33)70←修正前75
ニュープロ・パッチ 56(63)110←修正前115
アブラキサン 152(148)335←修正前340
アロキシ 76(75)120←修正前105
ムコスタ点眼液 26(25)53 修正なし
ビラノア 58(60)110←修正前115
ニューデクスタ 119(119)255 修正なし
エビリファイ 40(50)75←修正前65
プレタール 12(16)25←修正前20
ムコスタ 12(13)25←修正前20
ティーエスワン 29(42)60 修正なし
臨床栄養 414(396)880←修正前900
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