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アストラゼネカ 早期退職者の募集開始、45歳以上のMR対象 コロナ禍のデジタルシフトも影響

公開日時 2021/10/27 04:52
アストラゼネカは、勤続3年以上かつ45歳以上のMR約400人を対象に、早期退職者の募集を始めた。募集人数は約50人で、対象者の12%程度に相当する。早期退職者には特別退職一時金を支給するほか、再就職支援を行う。特別退職一時金は最大36カ月分の模様。コロナ禍による急激なデジタルシフトに苦労したり、リアルの活動をより深めたいとの価値観を持つMRなどに、同社以外でのキャリア形成をサポートするねらいとみられる。

同社は、今回の早期退職者募集を「ネクストステップキャリアサポートプログラム」と呼称している。同社広報部は本誌取材に、「社会や個人の価値観が多様化する中、今後のキャリアや生活に対する期待もそれぞれ異なっている」とした上で、「このような環境の変化を踏まえて、今後、社外でのキャリアを希望される社員をサポートする目的で、ネクストステップキャリアサポートプログラムを実施する」と答えた。

今回の早期退職者募集は、2022年3月末日時点で45歳以上、同社勤続3年以上のMR職に従事する社員が対象となる。退職日は22年3月末日。

◎MR活動量低下も主力品好調

同社では、主力の抗潰瘍薬ネキシウムが22年に特許切れを迎え、後発品が参入する見込み。19年12月に後発品が参入した喘息薬シムビコートの減収影響が大きい呼吸器領域事業は苦戦が伝えられている。一方で、コロナ禍でMRの活動量が低下したにもかかわらず、抗がん剤タグリッソやSGLT2阻害薬フォシーガ、高カリウム血症改善薬ロケルマなどの主力品は好調にシェアを伸ばした。

IQVIAの発表資料によると、例えばタグリッソの20年通期(1~12月)売上は前年同期比13.0%増で、新型コロナの感染拡大後にもかかわらず2ケタ成長した。21年第1四半期(1~3月)売上は前年同期比12.4%増、第2四半期(4~6月)売上は同8.4%増――だった。フォシーガも20年通期売上は前年同期比22.7%増で、21年第1四半期売上は同32.1%増、第2四半期は同39.4%増――だった。

コロナ禍のなかでデジタルの利用は飛躍的に高まった。今回、MRの活動量と製品売上との関係性に疑問符がついた可能性があり、これが早期退職者募集の背景要因のひとつになったかもしれない。
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