東和薬品は11月15日の22年3月期第2四半期決算説明会で、山形工場の生産体制を現在の65億錠から100億錠へ増強するための設備投資を行う方針を示した。先週12日の取締役会で決議したもの。投資予定額は建物252億円、設備285億円。安定供給の責任を果たすため、今後のシェア拡大に対応できる生産体制を整備する。工機は設計・建築を含めて23年10月までを予定しており、設備導入は23年8月から、稼働開始は24年4月を見込んでいる。

同社は、「第5期中期経営計画 2021－2023 PROACTIVEⅡ」で、「2023年度までに175億錠の生産能力に向けた生産体制（建屋能力）の構築」を掲げている。今回の生産体制への設備投資はこの一環として実施するもの。設備投資により山形工場の第三固形製剤棟の生産体制は35 億錠（現在65億錠）が増強され、100億錠となる。また、第二無菌製剤棟はバイアル 550万本（現在450万本）が増強され、1000万本の生産が可能となる。稼働開始は24年4月を見込むが、同社は、実需に基づいて生産計画を策定するため、設備導入は順次進める方針だ。

◎12月追補予定は５成分9品目　初年度売上約7.4億円を計画

決算説明会で同社は、12月追補収載予定新製品５成分9品目について説明した。新製品は、抗てんかん薬・レベチラセタム錠250mg／500mg「トーワ」、同・レベチラセタムDS50%「トーワ」、抗悪性腫瘍剤（プロテアソーム阻害剤）・ボルテゾミブ注射用2mg／3mg「トーワ」、抗アレルギー点眼剤・オロパタジン点眼液0.1%「トーワ」、H2受容体拮抗剤・ファモチジン注射液10mg／20mg「トーワ」、トロンボキサン合成酵素阻害剤オザグレルNa注80mgシリンジ「トーワ」－。追補品合計で初年度売上約7.4億円を計画している。

◎22年3月期第2四半期・国内業績　安定供給対応と工場稼働率向上等で増収増益

同社の22年度3月期第2四半期連結決算は、売上高は822億5400万円（前年同期比10.2％増）、営業利益103億1200万円（同15.7％増）、経常利益130億800万円（同46.9％増）の増収増益。一方、国内業績は、売上高639億8400万円（同14.4％増）、営業利益100億3700万円（同15.8％増）、経常利益124億6900万円（同45.6％増）となった。国内業績は、薬価改定の影響を受けながらも、市場の安定供給要請へ対応を行ったことなどで増収を確保した。一方、営業利益は、工場稼働率向上やセールスミックスの改善等により薬価改定による売上原価率の上昇を吸収したことで粗利益が増加し、販管費の増加を吸収したことで増益を確保した。