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新薬12製品を薬価収載へ 11月25日付 ファイザーのビンマック、ピーク時524億円と予想

公開日時 2021/11/18 04:51
厚生労働省の中医協総会は11月17日、新薬12成分16品目の薬価収載を了承した。同省は11月25日に収載する予定。ピーク時売上が100億円以上と予測されたのは5製品。このうちファイザーのトランスサイレチン型心アミロイドーシス(ATTR-CM)治療薬ビンマックカプセル(一般名:タファミジス)は10年後の売上が524億円になると予想した。

このほかに100億円以上と予想されたのは、▽アトピー性皮膚炎治療薬リンヴォックの30mg製剤(ウパダシチニブ水和物、アッヴィ)、▽初のRETキナーゼ阻害薬で、RET 融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんに用いるレットヴィモカプセル(セルペルカチニブ、日本イーライリリー)、▽アトピー性皮膚炎に用いるJAK阻害薬サイバインコ錠(アブロシチニブ、ファイザー)、▽がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮がんに使用する抗体薬物複合体のパドセブ点滴静注用(エンホルツマブ ベドチン、アステラス製薬)――となる。

◎モイゼルト軟膏など3製品が収載見送り 「製造過程で確認を要する事項」

一方で、9月27日付で承認された新医薬品のうち、3製品が今回の薬価収載を見送った。具体的には、▽PDE4阻害薬として初のアトピー性皮膚炎の適応を持つモイゼルト軟膏(ジファミラスト、大塚製薬)、▽メトトレキサート排泄遅延時の解毒に用いるメグルダーゼ静注用(グルカルピダーゼ(遺伝子組み換え)、大原薬品)、▽顕微鏡的多発血管炎や多発血管炎性肉芽腫症に用いる択的補体C5a受容体拮抗薬タブネオスカプセル10mg(アバコパン、キッセイ薬品)――となる。

大塚製薬は本誌取材に、モイゼルトの収載見送りについて、「製造過程で確認を要する事項があり、精査している」と明らかにし、安定供給確保のため今回の収載を見合わせたと説明した。大原薬品も製造面に課題があったとし、「日本出荷用の製剤の製造に失敗した」という。

キッセイ薬品は、タブネオスの開発や販売のグローバル戦略は創製元の米ケモセントリクス社、導入元のスイスのビフォー・フレゼニウス・メディカル・ケア・リーナル・ファーマ社の3社で協議して決めているとした上で、今回の収載見送りは「協議を踏まえた対応」と説明した。算定薬価で折り合いがつかなかったと思われる。

11月25日付で収載される製品は以下のとおり(カッコ内は成分名と薬価収載希望会社)

アジルバ顆粒1%、同錠10mg、同錠20mg、同錠40mg(アジルサルタン、武田薬品)
薬効分類:214 血圧降下剤(内容薬)
効能・効果:高血圧症
薬価:1%1g 73.60円
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数6.3千人、販売金額2.5億円
加算:小児加算(A=5%):「国内における小児効能に係る臨床試験を実施していること、小児に対する臨床使用上適切な製剤があること、小児に係る用法及び用量が明示されていること、本剤の比較薬が小児加算の適用を受けていないことから、小児加算(A=5%)を適用することが適当と判断した」
新薬創出等加算:主な理由「新薬創出等加算を受けている製剤の剤形追加」
費用対効果評価:該当しない

小児の用法・用量は、「通常、6歳以上の小児には、アジルサルタンとして体重50kg未満の場合は2.5mg、体重50kg以上の場合は5mgの1日1回経口投与から開始する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減するが、1日最大投与量は体重50kg未満の場合は20mg、体重50kg以上の場合は40mgとする」となった。小児に使いやすい剤形として顆粒剤が追加された。

ビンマックカプセル61mg(タファミジス、ファイザー)
薬効分類:219 その他の循環器官用薬(内用薬)
効能・効果:トランスサイレチン型心アミロイドーシス(野生型及び変異型)
薬価:61mg1カプセル15万5464.00円(1日薬価:15万5464.00円)
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数4.1千人、販売金額524億円
加算:なし
新薬創出等加算:なし
費用対効果評価:該当しない

既承認のトランスサイレチン型心アミロイドーシス(ATTR-CM)治療薬ビンダケルカプセル(一般名:タファミジスメグルミン)は1日1回4カプセル服用する必要がある。患者の負担経験の観点から、1日1回1カプセルの服用で済むビンマックが開発された。

エフメノカプセル100mg(プロゲステロン、富士製薬)
薬効分類:247 卵胞ホルモン及び黄体ホルモン剤(内用薬)
効能・効果:更年期障害及び卵巣欠落症状に対する卵胞ホルモン剤投与時の子宮内膜増殖症の発症抑制
薬価:100mg1カプセル 229.70円
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数1.9万人、販売金額12億円
加算:なし
新薬創出等加算:主な理由「厚生労働省が開発を公募」
費用対効果評価:該当しない

天然黄体ホルモン製剤。天然型黄体ホルモンをマイクロナイズド化(微粒子化)することで、経口投与でも吸収しやすくした。卵胞ホルモン剤と併用して用いる。

リンヴォック錠30mg(ウパダシチニブ水和物、アッヴィ)
薬効分類:399 他に分類されない代謝性医薬品(内用薬)
効能・効果:既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎
薬価:30mg1錠 7459.40円
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数5.7千人、販売金額103億円
加算:なし
新薬創出等加算:なし
費用対効果評価:該当しない

経口JAK阻害薬。成人のアトピー性皮膚炎に対し、患者の状態に応じて30mgまで増量できるため、30mg錠の剤形追加が承認された。

レットヴィモカプセル40mg、同80mg(セルペルカチニブ、日本イーライリリー)
薬効分類:429 その他の腫瘍用薬(内用薬)
効能・効果:RET融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん
薬価:40mg1カプセル 3680.00円
80mg1カプセル 6984.50円(1日薬価:2万7938.00円)
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数748人、販売金額156億円
加算:
有効性加算(II)(A=5%):「RETチロシンキナーゼに対する選択的な阻害作用を有する新規作用機序医薬品であり、臨床上の有用性が一定程度評価されていると考えられることから、有用性加算(II)(A=5%)を適用することが適当と判断した」
市場性加算(I)(A=10%):「比較薬は原価計算方式で算定されているが、過去に市場実勢価格を反映した薬価改定を受けていること、また、本剤が希少疾病用医薬品の指定を受けていることから、市場性加算(Ⅰ)を適用する」
新薬創出等加算:主な理由「希少疾病用医薬品として指定」
費用対効果評価:該当する(H1)

初のRETキナーゼ阻害薬。RET融合遺伝子又はRET遺伝子変異は、RETを介したシグナル伝達経路を亢進させることにより、腫瘍の生存や増殖に大きく寄与することが報告されている。同剤はRETのキナーゼ活性を阻害し、RETを介したシグナル伝達を阻害することで腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている。同剤はコンパニオン診断薬を使用して用いる。

サイバインコ錠50mg、同錠100mg、同錠200mg(アブロシチニブ、ファイザー)
薬効分類:449 その他のアレルギー用薬(内用薬)
効能・効果:既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎
薬価:
50mg1錠 2678.40円
100mg1錠 5221.40円(1日薬価:5221.40円)
200mg1錠 7832.30円 市場予測(ピーク時8年後):投与患者数1.5万人、販売金額166億円
加算:小児加算(A=5%):「小児に係る用法・用量が明示されていること等から、加算の要件に該当する。日本人の試験組み入れ数等を踏まえ、加算率は5%が妥当である」
新薬創出等加算:なし
費用対効果評価:該当しない

ヤヌスキナーゼ(JAK)ファミリー(JAK1、JAK2、JAK3及びTyk2)のうち、主にJAK1を阻害する低分子化合物。アトピー性皮膚炎(AD)の適応を持つ経口JAK阻害薬としては、オルミエント錠(バリシチニブ)、リンヴォック錠(ウパダシチニブ水和物)に続く3剤目だが、12 歳以上の小児適応を有するのは、リンヴォックに続き2剤目。

ソグルーヤ皮下注5mg、同皮下注10mg(ソマプシタン(遺伝子組換え)、ノボ ノルディスクファーマ)21年1月22日承認
薬効分類:241 脳下垂体ホルモン剤(注射剤)
効能・効果:成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)
薬価:
5mg1.5mL1キット 2万6107円(1日薬価:1865円)
10mg1.5mL1キット 5万2214円
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数7.0千人、販売金額47億円
加算:なし
新薬創出等加算:なし
費用対効果評価:該当しない

長時間作用型の遺伝子組み換えヒト成長ホルモン(hGH)誘導体。週1回の皮下注射で用いる。内因性アルブミンとの可逆的な非共有結合で、ソマプシタンの血中からの消失が遅延し、結果として作用時間が延長する。持効性インスリンなどに活用されるタンパク質工学技術を成長ホルモンに応用し、開発された。

ネクスビアザイム点滴静注用100mg(アバルグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組み換え)、サノフィ)
薬効分類:395 酵素製剤(注射薬)
効能・効果:ポンペ病
薬価:100mg1瓶 19万6940円 (1日薬価:14万671円)
市場予測(ピーク時9年後):投与患者数58人、販売金額30億円
加算:なし
新薬創出等加算:主な理由「希少疾病用医薬品として指定」
費用対効果評価:該当しない

酵素補充療法製剤。ポンペ病がもたらす重大な症状である呼吸機能、筋力・身体機能の低下を阻止することが期待されている。ポンペ病は、ライソゾーム酵素のひとつである酸性α-グルコシダーゼ(GAA)の遺伝子の欠損または活性低下が原因で生じ、複合多糖(グリコーゲン)が全身の筋肉内に蓄積することで生じる疾患。

サフネロー点滴静注300mg(アニフロルマブ(遺伝子組換え)、アストラゼネカ)
薬効分類:399 他に分類されない代謝性医薬品(注射薬)
効能・効果:既存治療で効果不十分な全身性エリテマトーデス
薬価:300mg2mL1瓶 9万6068円(1日薬価:3431円) 市場予測(ピーク時10年後):投与患者数5.5千人、販売金額45億円
加算:なし
新薬創出等加算:主な理由「新規作用機序」
費用対効果評価:該当しない

I型インターフェロン(IFN)α受容体のサブユニット1に結合するヒトIgG1κモノクローナル抗体で、Ⅰ型IFNシグナル伝達を阻害する。全身性エリテマトーデス(SLE)患者の大部分ではⅠ型IFNシグナル伝達が制御されず、Ⅰ型IFN誘導遺伝子発現(IFNGS)の亢進が認められ、その亢進はSLEの疾患活動性及び重症度と相関するとされている。

コセンティクス皮下注75mgシリンジ(セクキヌマブ(遺伝子組換え)、ノバルティスファーマ)
薬効分類:399 他に分類されない代謝性医薬品(注射薬)
効能・効果:既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、強直性脊椎炎、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎
薬価:75mg0.5mL1筒 4万144円
市場予測(ピーク時4年後):投与患者数215人、販売金額1.3億円
加算:小児加算(A=5%):「日本国内における小児効能に係る臨床試験を実施したこと、小児に対する臨床使用上適切な製剤及び用法・用量を開発したこと、本剤の比較薬が小児加算の適用を受けていないこと等から、小児加算(A=5%)を適用することが適当と判断した」
新薬創出等加算:主な理由「新薬創出等加算を受けている製剤の剤形追加」
費用対効果評価:該当しない

ヒト型抗ヒトIL-17Aモノクローナル抗体製剤。炎症性サイトカインであるIL-17Aと結合し、IL-17AのIL-17受容体への結合を阻害することで、IL-17Aの生理活性を阻害する。今回、乾癬の小児適応を追加し、併せて75mg製剤を追加した。

パドセブ点滴静注30mg(エンホルツマブ ベドチン(遺伝子組み換え)、アステラス製薬)
薬効分類:429 その他の腫瘍用薬(注射薬)
効能・効果:がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮がん
薬価:30mg1瓶 9万9609円(1日薬価:2万2234円)
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数3.1千人、販売金額118億円
加算:有用性加算(II)(A=10%):「は既存の治療方法では効果不十分な患者群において効果が認められており、対象疾病に対する標準的治療法として位置づけられることから、有用性加算(II)(A=10%)を適用することが適当と判断した」
新薬創出等加算:主な理由「加算適用」
費用対効果評価:該当する(H1)

抗体薬物複合体(ADC)。ネクチン-4に対するIgG1サブクラスのヒト型モノクローナル抗体と微小管重合阻害作用を有するモノメチルアウリスタチンE(MMAE)が、リンカーを介して共有結合している。腫瘍細胞の細胞膜上に発現するネクチン-4に結合し、細胞内に取り込まれた後にプロテアーゼによりリンカーが加水分解され、遊離した MMAE がアポトーシスを誘導することなどにより、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている。 なお、1次治療における有効性及び安全性は確立していない。

ライアットMIBG-I131静注(3-ヨードベンジルグアニジン(131I)、富士フイルム富山化学)
薬効分類:429 その他の腫瘍用薬(注射薬)
効能・効果:MIBG集積陽性の治癒切除不能な褐色細胞腫・パラガングリオーマ
薬価:1.85GBq5mL1瓶 107万2505円
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数25人、販売金額2.1億円
加算:
有効性加算(II)(A=5%):「国内診療ガイドラインにおいて, 123I-MIBGの病変への集積陽性例に対しては、131I‐MIBG内照射が標準的治療として位置付けられていることから、有用性加算(II)(A=5%)を適用することが適当と判断した」
市場性加算(I)(A=10%):「希少疾病用医薬品に指定されていることから、加算の要件を満たす」

新薬創出等加算:主な理由「希少疾病用医薬品として指定」
費用対効果評価:該当しない

副腎髄質ホルモンのノルアドレナリン(NA)に類似した構造を有する 3-ヨードベンジルグアニジン(MIBG)のヨウ素原子を放射性同位体(131I)に置換した 131I-MIBG を有効成分とする放射性医薬品。主にNAトランスポーターを介した再摂取機構(uptake-1)により腫瘍細胞内に取り込まれ、131I から放出されるβ線により細胞を傷害し、腫瘍の増殖を抑制すると考えられている。
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