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中医協総会 答申書附帯意見を了承 保険給付範囲の議論を把握した医薬品の適切な評価を検討へ

公開日時 2022/02/03 04:51
中医協総会は2月2日、答申書附帯意見を了承し、2022年度診療報酬改定をめぐる議論を終えた。附帯意見には、医薬品などについて、「保険給付範囲の在り方等に関する議論の状況も把握しつつ、適切な評価の在り方について引き続き検討すること」と新たに盛り込まれた。附帯意見を了承直後に、診療側の城守国斗委員(日本医師会常任理事)は、「中医協で保険適用の可否を審議する際に最も重要な判断基準は、エビデンスに基づいた有効性と安全性」と述べ、患者の利便性を重視する議論を牽制。「中医協の外で詳細な制度設計にまで言及されるテーマが散見されるのはいかがなものか」とも指摘する場面があった。22年度診療報酬改定は、2月9日にも答申される予定。

附帯意見案をめぐっては、1月28日の中医協総会で支払側の松本真人委員(健康保険組合連合会理事)が医薬品などの「保険給付のあり方について議論する」ことを追記するよう要望(関連記事)。これを踏まえ、「医薬品、医療機器及び医療技術の評価について、保険給付範囲の在り方等に関する議論の状況も把握しつつ、適切な評価の在り方について引き続き検討すること」が追記された。また、支払側が求めていた明細書の無料発行については、「施行状況や訪問看護レセプトの電子請求が始まること等を踏まえ、患者への情報提供の促進、医療の透明化の観点から、更なる促進の取組について引き続き検討すること」と文言が修正された。

◎「中医協の外で詳細な制度設計に言及されるテーマが散見されるのはいかがなものか」

22年度診療報酬改定では、オンライン診療の初診からの導入や要件緩和、リフィル処方箋の導入など、患者の医療へのアクセスを高める項目が多く導入される。中医協の場では診療・支払各側の合意はみられなかった項目も含まれており、最終的に大臣折衝による政治決着や、規制改革推進会議など、中医協以外の場での踏み込んだ議論も目立った。

診療側の城守委員は、附帯意見了承後に、「最近の中医協の審議の在り方について、気になることが2点ある」と切り出した。城守委員は、「中医協では、従来から社会保障審議会医療部会、医療保険部会で策定された改定の基本方針を踏まえたうえで、医療技術等の評価に関してエビデンスに基づいて、有効性と安全性を確認し、保険財源を勘案しつつ、保険収載の可否を判断するとともに、その技術等が安全かつ適切に行われるために算定要件、施設基準を中医協の場で検討したうえで決定している。とりわけ医療政策色の強いテーマについても、中医協の外で、一定の方針が決められることもあったが、その場合も、詳細な制度設計は中医協の場で、常に有効性と安全性を確認して医療提供体制に歪みが生じないように、検討されてきた経緯がある」と述べた。

そのうえで、「しかしながら近年は、中医協の外で詳細な制度設計にまで言及されるテーマが散見されるのはいかがなものか。診療報酬に関するテーマは、基本的に厚生労働大臣の諮問機関である中医協における主体的な議論を踏まえて決定されるべきだ」と述べた。


◎診療側・城守委員「利便性はもちろん重要だが、最も重要な判断基準は有効性と安全性」

診療側の城守委員はまた、中医協で患者の利便性を重視する議論が増えていることにも言及。「中医協では、これまで有効性、安全性が確認された技術等は速やかに保険収載とする方針で対応してきた。近年は、この決定に際して利便性という判断基準の影響が顕著になってきている。今回の改定の議論の中でも、“有効性、安全性を確保した上で、利便性を重視して”という発言が目立っている」と述べた。そのうえで、「利便性はもちろん重要だが、中医協で保険適用の可否を審議する際に最も重要な判断基準は、エビデンスに基づいた有効性と安全性であることを、各委員には改めて強く認識していただきたい」と訴えた。



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