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スピンラザに臨床症状発現前のSMAを追加へ 13製品の承認了承 薬食審・第一部会

公開日時 2022/03/10 04:51
厚生労働省は3月9日の薬食審・医薬品第一部会に、脊髄性筋萎縮症(SMA)治療薬・スピンラザ髄注の適応拡大など13製品を承認する方針を報告し、了承された。この中には、不妊治療に使用する11製品が含まれる。これは4月から不妊治療が保険適用となることを踏まえて対応したもの。この日は報告品目のみで、審議品目はなかった。

報告品目以外では、いったん部会における審議を経て承認が了承されたものの、正式承認が留保されていたFXa阻害薬の抗凝固作用を中和するための治療薬・オンデキサ静注用が「その他」として議題となった。同省は、事後ブリーフィングで「信頼性に関する新たな情報が得られて精査していたものだが、改めてPMDAにおける検討結果を踏まえて、以前の部会審議における結論を変更する必要はないことが確認された」とした。

オンデキサ静注用を含め全製品が3月中に正式承認される見通し。

【報告品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
報告品目は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せず、報告のみでよいと判断されたもの。不妊治療に使用する2製品を含む上から4製品は2月25日の部会に報告予定だったが、審議品目が多かったため、時間切れで報告できず、この日の部会で改めて報告されたもの。

スピンラザ髄注12mg(ヌシネルセンナトリウム、バイオジェン・ジャパン):「臨床所見は発現していないが遺伝子検査により発症が予測される脊髄性筋萎縮症」を効能・効果とする新効能医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は残余(2027年7月2日まで)。

アンチセンス核酸医薬品。2017年8月に脊髄性筋萎縮症(SMA)治療薬として発売された。SMA患者における不可逆的な運動ニューロンの変性は、臨床症状発現前から進行しているため、可能な限り早期からの治療が重要とされており、臨床症状発現前でも使用できるように適応拡大する。

現在、臨床症状発現前のSMAに対して、再生医療等製品・ゾルゲンスマ点滴静注(オナセムノゲン アベパルボベク、ノバルティスファーマ)が使用可能。具体的には、「脊髄性筋萎縮症(臨床所見は発現していないが、遺伝子検査により脊髄性筋萎縮症の発症が予測されるものも含む) ただし、抗AAV9抗体が陰性の患者に限る」の適応で承認されている。経口SMA治療薬・エブリスディドライシロップ(リスジプラム、中外製薬)には臨床症状発現前の適応はない。

ヒスロン錠5(メドロキシプロゲステロン酢酸エステル、協和キリン)
デュファストン錠5mg(ジドロゲステロン、マイランEPD)
:いずれも「調節卵巣刺激下における早発排卵の防止」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。公知申請。再審査期間はなし。

黄体ホルモン製剤。プロゲステロン受容体に結合して黄体形成ホルモン(LH)サージを抑制することで調節卵巣刺激(COS)下における早発排卵を防止すると推察されている。

リンパック透析剤TA5(-、ニプロ):「慢性腎不全における透析型人工腎臓の灌流液」を効能・効果とし、配合割合が異なる類似処方医療用配合剤。再審査期間はなし。

類薬には、リンパック透析剤TA3(―、ニプロ)、Dドライ透析剤2.75S(―、日機装)がある。

クロミッド錠50mg(クロミフェンクエン酸塩、富士製薬):「乏精子症における精子形成の誘導」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。公知申請。再審査期間はなし。

排卵誘発剤。視床下部のエストロゲン受容体に内因性エストロゲンと競合的に結合し、エストロゲンによる負のフィードバックを抑制することでゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)を分泌させ、卵胞刺激ホルモン(FSH)及び黄体化ホルモン(LH)の下垂体からの分泌を促進、並びにLH分泌促進を介してテストステロンの分泌を促進させることで、精子形成が誘導されると考えられている。

ル・エストロジェル0.06%(エストラジオール、富士製薬)
ジュリナ錠0.5mg(エストラジオール、バイエル薬品)
ディビゲル1mg(エストラジオール、サンファーマ)
エストラーナテープ0.36mg、同テープ0.72mg(エストラジオール、久光製薬)
:いずれも「①生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整②凍結融解胚移植におけるホルモン補充周期」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。エストラーナテープ0.36mg は②のみ。公知申請。再審査期間はなし。

卵胞ホルモン(エストロゲン)製剤。卵胞ホルモンと黄体ホルモンを一定期間投与した後、これらの薬剤を中止することによって生じる消退出血を利用して、生殖補助医療(ART) における調節卵巣刺激(COS)の開始時期の調整を行うことができる。一方、胚移植は、移植胚の分割段階に応じて排卵後の一定期間内に生じる子宮内膜の状態下で行う必要があり、ホルモン補充周期は卵胞ホルモンと黄体ホルモンを投与することにより、排卵後の子宮内膜の状態とすることができる。

ジェミーナ配合錠(レボノルゲストレル・エチニルエストラジオール、ノーベルファーマ)
ルナベル配合錠LD(ノルエチステロン・エチニルエストラジオール、ノーベルファーマ)
ルナベル配合錠ULD(ノルエチステロン・エチニルエストラジオール、ノーベルファーマ)
ヤーズフレックス配合錠(ドロスピレノン・エチニルエストラジオール ベータデクス、バイエル薬品)
:いずれも「生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。公知申請。再審査期間はなし。

卵胞ホルモン・黄体ホルモン配合製剤。一定期間投与した後、中止することによって生じる消退出血を利用して、ART におけるCOS の開始時期の調整を行うことができる。

【その他】(カッコ内は一般名、申請企業名)

オンデキサ静注用200mg(アンデキサネット アルファ(遺伝子組換え)、アレクシオンファーマ):「直接作用型第Xa因子阻害剤(アピキサバン、リバーロキサバン又はエドキサバントシル酸塩水和物)投与中の患者における、生命を脅かす出血又は止血困難な出血の発現時の抗凝固作用の中和」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。

8月30日の部会で承認が了承されたものの、その後、信頼性について一部データの取り扱いに疑義が生じたため、正式承認を留保し、PMDAで事実関係を確認。「それらのデータを取り除いた時の結果がどうなのかを評価した結果、有効性・安全性の評価について影響がないことが確認された」(同省)という。
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