新型コロナワクチン・ヌバキソビッド 重要な基本的注意に「心筋炎、心膜炎」を記載、注意喚起
公開日時 2022/07/11 04:50
厚生労働省医薬・生活衛生局は7月8日、新型コロナワクチン・ヌバキソビッド筋注(製造販売元:武田薬品)の添付文書改訂を指示した。「重要な基本的注意」の項に、「心筋炎、心膜炎」の疑い事例が報告されていることに加え、心筋炎等が疑われる症状が認められた場合は速やかに診察を受けるよう事前に知らせることを追記することになった。
心筋炎等が疑われる症状としては、胸痛、動悸、むくみ、呼吸困難、頻呼吸などを挙げている。
同ワクチンは日本で今年5月25日に接種が開始され、今回の集計対象期間の6月12日までに 1万1333回接種されている。副反応疑い報告においては、現時点で、「心筋炎又は心膜炎(以下、「心筋炎等」)」の報告はない。
全世界では今年5月31日までに94万2554回接種され、海外では心筋炎疑い事例は10件、心膜炎疑い事例は33件報告されている。医療関係者から報告され、医学的に確認されたと考えられる副反応疑い事例(medically confirmed AE)は、心筋炎疑い事例3件、心膜炎疑い事例 12 件だった。
同ワクチン投与後の心筋炎等について、現時点で得られている情報は限られており、更なる情報収集が望まれるが、直近の22年5月1日~5月31日の期間における全世界での接種回数は 19万2902回に留まっているため、更なる副反応疑い事例の集積やそれを踏まえた安全対策措置の検討には「今後相当な時間が必要となる」。このため、現時点で得られている情報や専門委員の意見を総合的に勘案した結果、今回の添付文書改訂により注意喚起することが妥当と判断された。