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エーザイ AD治療薬候補・レカネマブ 22年度中の日米欧フル承認申請へ「順調に進行」

公開日時 2022/09/14 04:51
エーザイは9月13日、「エーザイR&Dベーシック説明会」を開き、早期アルツハイマー病(AD)治療薬候補・レカネマブの2022年度中の日米欧フル承認申請に向けて「順調に進行」していると説明した。早期ADを対象とした第3相臨床試験「Clarity AD」の主要評価項目の結果が計画通り9月末に明らかになる予定。同社IR部の日比滋樹シニアサイエンティフィックディレクターは説明会で、「日米欧においてClarity AD結果に基づく22年度中の申請準備が順調に進行中」と報告した上で、「早期ADにおける疾患修飾薬として世界で最初のフル承認を目指す」と同社の方針を改めて示した。

Clarity ADは早期AD患者1795人を対象とした大規模な第3相試験。主要評価項目は、認知症の機能評価と認知評価を組み合わせて重症度を評価するスケールのCDR-SBスコアの変化量。具体的には、1)記憶、2)見当識、3)判断力と問題解決、4)地域社会の活動、5)家庭および趣味、6)身の回りの世話――の6項目について、患者の診察や周囲の人からの情報で評価。6項目のスコアの合計点がCDR-SBスコアとなり、得点が高いほど重症度が高いことを示す。早期ステージのADを対象とした治療薬の適切な有効性評価項目としても使用され、米国FDAはエンドポイントとして認めているとしている。

CDR-SBは、レカネマブの第2相臨床試験(201試験)で副次評価項目とした。しかし、レカネマブ10mg/kg隔週投与群はプラセボ群を対照に26%の進行抑制を示したものの、統計学的有意差は確認できなかった(p=0.125)。

日比氏は、「CDR-SBについて第2相試験で統計学的有意差は確認できなかったが、臨床的意義はあると思っている」とし、臨床的意義があるとした根拠のひとつに「(認知症の)進行抑制効果が25%を超えている」ことを挙げた。現在実施中のClarity ADにおいて、CDR-SBで目標としている変化量は「開示できない」としたが、「第2相試験以上の結果を目指している。プライマリエンドポイントなのできちんと統計学的有意差をつけることも考え、サンプルサイズを設定している」と説明した。9月末にCDR-SBの具体的な変化量まで示されるか不透明だが、統計学的有意差が確認できたかどうかは明らかになる見通しだ。

なお、201試験は、主にアミロイドβの脳内蓄積が確認された早期AD患者856人(軽度認知障害(MCI)及び軽度AD)を対象とした。レカネマブ 10mg/kgを2週間に1度、18か月投与したところ、PET 画像にて測定した脳内アミロイドβ蓄積量 (SUVr)がベースライン1.37 ユニット(平均)から 0.306 ユニット減少させ、被験者の 80%以上は読影診断により脳内アミロイド陰性化が確認された。治療群間および個々の被験者レベルにおいて、脳内アミロイドβ減少の程度と ADCOMS、CDR-SB、ADAS-cogによる臨床症状の悪化抑制に相関がみられ、アミロイドβは「臨床的有用性を予測するサロゲートマーカーになり得ることを示唆している」とされた。アミロイド標的療法に関連する有害事象で あるアミロイド関連画像異常(ARIA-E:浮腫/浸出)の発生率は9.9%だった。
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