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独アドラゴス社・ラアブCEO 日米欧の生産拠点買収に意欲 サノフィの川越工場買収、戦略工場に

公開日時 2022/10/14 04:50
ドイツの医薬品受託開発製造企業(CDMO)であるアドラゴスファーマのアンドレアス・ラアブCEO(写真中央)は10月13日、初の来日会見を開き、欧州、北米、日本の生産拠点を買収して生産ネットワークを拡大し、「(製薬企業に製品供給する)グローバルなCDMOを目指す」と表明した。日本では取手工場(茨城県取手市)を持つほか、このほどサノフィの川越工場(埼玉県川越市)を買収する最終契約を締結した。ラアブCEOは、川越工場をアドラゴスの戦略工場のひとつと位置付け、サノフィ製品の製造だけでなく、日米欧で新規顧客を開拓して川越工場で製造する構想も披露した。川越工場の買収により、日本国内で2位の大手CDMO専門企業になったと説明した。

◎3つ目の日本の工場買収に着手

アドラゴスはグローバルに事業を展開するCDMOで、2020年にラアブCEOが設立した。生産拠点の買収を通じて事業拡大しており、「毎年2ケタ成長を遂げている」という。傘下の工場では主に低分子医薬品、無菌製剤、固形製剤、半固形製剤の製造を行い、コールドチェーン(低温物流)を条件とし無菌充填仕上げが必要な医薬品を取り扱うこともできる。

現在の拠点は、ドイツ本社のほかに米国本社と日本本社を構える。生産拠点はフランスのリヴロン工場、ドイツのライプツィヒ工場、日本の取手工場及び川越工場の計4つを持つ。歴史と卓越した技術・経験を持つ工場を買収する方針で、ラアブCEOは「4工場で合計200年以上の歴史がある」こともアピールした。詳細は明かさなかったが、日本で3つ目の工場買収に着手していることも明らかにした。

◎日本の要求水準に応えられることが「世界中での誇りになる」

工場買収のターゲットは日米欧とし、中国やインドの工場買収は「全くない」と断言した。この理由は、企業戦略として成熟した医薬品先進国市場で事業展開する方針を掲げているほか、顧客となる製薬企業にとって利益率の高い市場でアドラゴスも事業を行い、その主力市場でアドラゴスが業界をリードするポジションを獲得して新たな業界基準になることを目指しているためだと説明した。

日本国内の工場を買収する意義に関しては、「日本は要求水準が極めて高い。特に品質面で日本の要求に応えているという評価は、世界中で私たちにとって誇りになる」と話した。

◎顧客は60社以上

アドラゴスの現在の売上規模は非開示。中長期のビジョンとしては、▽グローバルなCDMOになる、▽顧客に認められる「顧客サービスナンバー1」の企業になる、▽2027年に世界トップ15位内のCDMOになる――を掲げており、トップ15入りした場合の売上規模は「概ね6億ユーロになる」と述べた。現在の顧客はグローバルファーマや中堅企業、特殊医薬品市場で活躍するイノベーター企業など60社以上。顧客の社名が公表できるのはサノフィのみとなる。

◎川越工場の全従業員約250人 アドラゴスが引き継ぐ予定

アドラゴスはこのほど、日本のホールディングスカンパニーとなるアドラゴスファーマ株式会社(以下、アドラゴス日本法人)を設立した。取手工場(=ハウプトファーマ取手株式会社)や、今回買収する川越工場をアドラゴス日本法人の傘下におさめる形とする。

川越工場は50年以上の医薬品製造の実績がある。サノフィのもとで、日本およびアジア市場に向けて経口固形製剤や無菌液体製剤の製造を行い、包装、外観検査、再試験サービスを展開してきた。アドラゴスは今回の工場買収を機にサノフィと長期供給契約を締結する予定で、サノフィ向けの製造を継続し、日本市場におけるサノフィの戦略的パートナーとなる予定。

また、川越工場の従業員約250人は全員、同工場に残る予定。ラアブCEOは、「川越工場の非常に卓越した技術・経験を有する従業員全員を引き継ぐことができ、非常にうれしく思う」と強調した。

◎日本法人・柳澤社長 川越工場はサービスと生産能力の拡張余地大きい

アドラゴス日本法人の柳澤敬三社長(写真右)は会見で、川越工場を買収する理由のひとつに既存の取手工場に拡張余地がないことを挙げた。そして、「近年、より需要の高いオーファンドラッグやコールドチェーンを求める医薬品製造では、保冷庫の増設が必要になる。一つの戦略として高付加価値の医薬品の二次包装を行うという観点から、今回の川越工場の買収は我々グループにとって非常に大きな意義を持つ」と述べ、川越工場におけるサービスと生産能力の拡張余地が大きいことが買収理由のひとつだと説明した。

取手工場はもともとベーリンガーインゲルハイムの注射剤工場で、ドイツのハウプトファーマが買収し、ハウプトファーマ取手として07年に取手市に設立された。日本で製造業の承認を受けた数少ない外資系の医薬品包装サービス会社のひとつで、柳澤氏はハウプトファーマ取手の社長を10年から務めている。柳澤社長は、「取手工場は優れた品質管理・品質保証手順により、同施設では監査合格率100%、回収率0%と高い顧客満足度を実現できている」とし、「顧客からも大変喜んでいただけている」と紹介した。
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