富士フイルム子会社のバイオCDMO 米ノースカロライナ州に製造工場開設 「北米最大級の原薬生産能力」
公開日時 2025/09/26 04:50
富士フイルムの子会社で、バイオ医薬品の開発・製造受託会社(CDMO)であるFUJIFILM Biotechnologies(フジフイルム・バイオテクノロジーズ)は9月25日、米国・ノースカロライナ州で建設を進めていたバイオ医薬品の製造工場を開設したと発表した。2025年中に第1次投資設備である2万リットルの動物細胞培養タンク8基の本格稼働を始める。さらに28年には同規模の培養タンク8基の追加を予定しており、「北米のバイオCDMO拠点として最大級の原薬生産能力を有することになる」としている。
米国の新拠点は、拠点間の迅速な技術移管や高い品質の確保などを目的に、デンマークの拠点と設計・設備・品質管理システムを共通化する「kojoX(コージョーエックス)」で建設が進められた。総投資額は32億ドル。原薬製造のほか、製剤受託も可能で、26年には包装工程まで含めた一貫した受託体制が整う。現在の従業員680人が勤務しており、31年までに計1400人を雇用する計画だという。
同社は英国、米国、デンマークを拠点にグローバルでCDMO事業を展開。米国の新拠点に加え、デンマーク拠点でも増設を進めており、28年までに2万リットルの動物細胞培養タンクは36基になる予定。グループ会社の富士フイルム富山化学も富山県で新たなバイオCDMO拠点を建設中で27年の稼働を計画している。