富士フイルム子会社のバイオCDMO アルジェニクスとの製造契約を米国に拡大 迅速な技術移管を実現
公開日時 2025/09/22 04:49
富士フイルム子会社でバイオ医薬品のCDMOであるFUJIFILM Biotechnologies(フジフイルム・バイオテクノロジーズ)は9月19日、アルジェニクスとの間で抗体医薬品の製造に関する新たな契約を締結したと発表した。契約に基づき、米国新拠点で2028年から稼働開始予定の設備を用いて、全身型重症筋無力症治療薬・エフガルチギモドの原薬製造を受託する。欧米それぞれの拠点で共通の設備やシステムを導入する同社の製造ネットワーク「kojoX」を活用することで迅速な技術移管につなげる。
フジフイルム・バイオテクノロジーズは英国、米国、デンマークを拠点にグローバルでCDMO事業を展開。米・ノースカロライナ州では2万リットルの動物細胞培養タンク16基を有する新拠点の建設が進む。デンマークの拠点と共通の設計・設備、品質管理、ITシステムを採用している点が特徴だ。アルジェニクスとの間では、これまでもデンマーク拠点で同じ製剤の原薬製造を手掛けており、今回の契約は「kojoX」を活かした初の事例となるという。
フジフイルム・バイオテクノロジーズのラース・ピーターセン社長・CEOは「米国拠点へ製造契約を拡大することで、アルジェニクスのエフガルチギモドのグローバル供給ニーズに応え、この治療薬を必要とする患者さんへの供給を支援できることを嬉しく思う」とコメント。アルジェニクスのフィリップ・ボルジオンズ・テクノロジーイノベーション最高責任者は「kojoXのコンセプトにより、欧米における一貫した製造能力を確保でき、グローバルな展開も可能になる。連携を通じて、kojoXの可能性を最大限に引き出せることを楽しみにしている」と述べた。