富士フイルム 富山第二工場内にバイオ医薬品CDMO工場を開設 27年稼働開始予定
公開日時 2025/12/24 04:50
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富士フイルムは12月23日、富士フイルム富山化学富山第二工場内(富山市)に建設を進めてきたバイオ医薬品CDMO工場を開設し、竣工式を行ったと発表した。富士フイルムグループとしては国内初の抗体医薬品の製造工場で、2027年の稼働開始を予定している。隣接地で建設中の工場と合わせて、原薬製造から製剤化・包装までを一貫して担う製造体制を構築する計画で、「バイオCDMO事業におけるアジアの製造拠点としての役割を担う」としている。
新工場は、地上6階建て、延べ床面積約1万6000平方メートル。シングルユースの5000リットル動物細胞培養タンク2基に加え、2000リットルタンク2基を導入。隣接地に建設中の工場と合わせて、原薬製造から製剤・包装までをワンストップで提供することができる。また、高い品質を確保しつつ、拠点間での迅速な技術移管や建設のリードタイム短縮を目的に、FUJIFILM Biotechnologiesの英国拠点と設備や品質管理システムを共通化する「kojoX」のアプローチを採用した。
さらに隣接地では、mRNA医薬品やワクチンを製造する工場を建設中で、27年の竣工を予定している。両工場は経済産業省の「ワクチン生産体制強化のためのバイオ医薬品製造拠点等整備事業」に採択されており、平時は顧客ニーズに応じたバイオ医薬品を製造、有時はワクチン製造へ切り替え可能になるデュアルユース体制の構築を進めている。
同社グループは抗体医薬品の需要増に対応するため、米国・ノースカロライナやデンマークなど各拠点の増強を進めており、28年までに総生産能力75万リットル強を整備する計画を掲げている。