アルフレッサHDなど4社 BSの原薬・製剤製造を行う合弁会社設立で基本合意 厚労省支援事業で提携
公開日時 2025/10/07 04:50
アルフレッサホールディングス、キッズウェル・バイオ、カイオム・バイオサイエンス、台湾のMycenax Biotech社の4社は10月6日、日本でバイオ後続品(BS)の原薬・製剤製造を行う合弁会社の設立で基本合意したと発表した。BSを含むバイオ医薬品の国内製造施設は、アルフレッサHD子会社のアルフレッサ ファインケミカルの敷地内に建設する予定。5月に採択された厚労省の「医療施設等施設整備費補助金(バイオ後続品国内製造施設整備支援事業、以下「本助成事業」)」の支援を受ける。
厚労省の本助成事業は、BSの安定供給体制を日本国内に構築することを目的としたもの。本助成事業に係る公募に対し、アルフレッサHD、キッズウェル、カイオムが3社共同で申請し、5月21日付で採択された。これにより3社は、厚労省の支援を通じてBSの国内製造拠点の整備を進めることになった。台湾でBSを含むバイオ医薬品のCDMOとして多くの受託実績があるなど豊富なノウハウと経験を有するMycenax Biotech社(MBI)は、本助成事業に重要関係者として参画している。
◎国内製造施設 BSを含むバイオ医薬品のCDMO事業を推進
4社は今回の基本合意に基づき合弁会社を設立し、厚労省の支援を通じてBSを含むバイオ医薬品の国内製造施設の整備を進め、合弁会社によるバイオ医薬品のCDMO事業を推進する。アルフレッサグループの流通機能を組み合わせることで、BSのトータルバリューチェーンを構築し、BSの国内自給率の向上及び安定供給体制の確立、製造したBS原薬や製剤の海外輸出、日本におけるバイオ医薬品開発・製造に係る人材育成を図る。4社は、「バイオ医薬品産業の発展に貢献していく」としている。
なお、合弁会社の社名や本店所在地等の詳細は今後の協議により決定する。
◎新規BSの共同開発も
アルフレッサHD、キッズウェル、カイオムの3社はこの日、新規のBS開発に関する基本合意書と、個別製品の共同開発のための基本契約書を締結したことも発表した。
医薬品等製造事業と医薬品等の全国流通ネットワークを持つアルフレッサグループ、複数のBSの製品開発と安定供給に携わるキッズウェル、抗体医薬の研究開発に長年の経験を有するカイオムのそれぞれの強みを生かして、新規BSの創出に向けた協業を進める。開発された新規BSは、MBI社を含む4社で今後整備する国内製造施設へ移管し商用製造することを想定。製造実績の積み上げと同施設の安定操業につなげる。
厚労省は23年12月に、「29年度末までにバイオシミラーが80%以上を占める成分数が全体の成分数の60%以上」とする数値目標を設定した。BSは今後の積極的な普及が期待されている。