後発品追補収載 初後発は5成分45品目 ネキシウムに8社16品目、レクサプロに9社22品目
公開日時 2022/12/08 04:52
厚生労働省は12月8日、2022年12月の後発品の薬価基準追補収載を官報告示した。9日に収載する。初後発品(投与経路別)は5成分45品目で、このうち抗潰瘍薬・ネキシウム(一般名:エソメプラゾールマグネシウム水和物)に8社16品目、抗うつ薬・レクサプロ(エスシタロプラムシュウ酸塩)に9社22品目の後発品が収載される。ネキシウム後発品のうちニプロの製品はオーソライズド・ジェネリック(AG)となる。
一方、2月に承認された抗凝固薬・イグザレルト(リバーロキサバン)の後発品(AG)や加齢黄斑変性治療薬・アイリーア(アフリベルセプト)のバイオセイム(バイオAG)は、6月に続き12月も収載されなかった。
◎後発品等の収載品目数、98年以降2番目に少なく 「安定供給の問題は一定程度あると考えられる」
今回収載される後発品等は86品目にとどまった。厚労省によると、1998年以降41回の追補収載が行われたが、今回の収載品目数は07年11月収載に次ぐ2番目に少ない品目数だった。この理由について同省は、「データを持ち合わせておらず、正確なところはわからない」とした上で、「安定供給の問題は一定程度あると考えられる」との見方を示した。なお、07年11月収載は初めて年2回収載となった時で、収載品目数は14品目だった。
◎ネキシウム後発品は全てカプセル剤
今回初めて収載される後発品はネキシウムやレクサプロのほか、骨粗鬆症治療薬・ボンビバ静注(イバンドロン酸ナトリウム水和物)の4社4品目、環状リポペプチド系抗生物質製剤・キュビシン(ダプトマイシン)の1社1品目、抗真菌薬・ルリコン(ルリコナゾール)の1社2品目――となる。
アストラゼネカが製造販売するネキシウムには、キョーリンリメディオ、沢井製薬、第一三共エスファ、東和薬品、日新製薬、ニプロ(AG)、日本ケミファ、陽進堂――の後発品が収載される。後発品は全てカプセル剤で、沢井製薬が8月15日付で承認を得た懸濁用顆粒分包製剤は今回、収載されない。
◎レクサプロ後発品 沢井製薬、第一三共エスファ、東和薬品はOD錠投入 日医工製品も
持田製薬のレクサプロには、沢井製薬、第一三共エスファ、高田製薬、東和薬品、ニプロ、日本ジェネリック、マイランEPD、Meiji Seika ファルマのほか、事業再生ADRの手続きを進めている日医工の後発品も収載される。このうち沢井製薬、第一三共エスファ、東和薬品は、先発品にはないOD錠を投入する。
◎ボンビバ静注、キュビシン、ルリコンに後発品参入
中外製薬のボンビバ静注には沢井製薬、シオノケミカル、東和薬品、ブリオファーマの後発品が、MSDのキュビシンには沢井製薬の後発品が、サンファーマのルリコンには岩城製薬の後発品がそれぞれ収載される。このうちキュビシンは、先発品の小児適応に再審査期間が残っているため、後発品に小児適応はない。ルリコン後発品を手掛ける岩城製薬は、クリーム剤と軟膏の後発品を投入する。
◎後発品薬価 ネキシウムやレクサプロなど4成分、新薬創出等加算分を差し引いた上で0.5掛け
後発品薬価は先発品の原則0.5掛け(内服薬のうち組成、剤形区分、規格が同一の後発品の銘柄数が10を超えたものは0.4掛け)で算定されるが、先発品が▽新薬創出等加算対象品目▽過去に新薬創出等加算の対象だったが累積加算額を返還していない品目――の場合は、先発品薬価から同加算分を差し引いた上で0.5掛け(0.4掛け)する。
今回の初後発5成分はいずれも0.5掛けの対象となる。新薬創出等加算は、ネキシウム、レクサプロ、ボンビバ静注、キュビシンの4成分にこれまで適用されており、この4成分の後発品薬価は同加算分を差し引いた上で0.5掛けした額となる。