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GLP-1受容体作動薬含有製剤 重大な副作用に「胆嚢炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸」追記 添付文書改訂

公開日時 2023/02/15 04:48
厚生労働省医薬・生活衛生局は2月14日、GLP‐1受容体作動薬含有製剤及びチルゼパチドについて、重大な副作用の項に「胆嚢炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸」を追記する添付文書改訂を指示した。GLP-1受容体作動薬含有製剤投与後に発生した急性胆道系疾患関連事象(胆嚢炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸)の国内症例及びGLP-1受容体作動薬と急性胆道系疾患との関連性を論じた公表文献を評価した結果、全てのGLP-1受容体作動薬含有製剤の使用上の注意を改訂することが適切と判断された。

また、タゾバクタム・ピペラシリン水和物について、重大な副作用の項に「血球貪食性リンパ組織球症(血球貪食症候群)」を追記することも指示した。

添付文書の改訂指示があった医薬品は次の通り。

〈GLP‐1受容体作動薬含有製剤及びチルゼパチド〉
▽①リラグルチド(遺伝子組換え)(販売名:ビクトーザ皮下注18mg(ノボ ノルディスク ファーマ))、
エキセナチド(販売名:バイエッタ皮下注5μgペン300、同皮下注10μgペン300、ビデュリオン皮下注2mgペン(アストラゼネカ))、
リキシセナチド(販売名:リキスミア皮下注300μg(サノフィ))
デュラグルチド(遺伝子組換え)(販売名:トルリシティ皮下注0.75mgアテオス(日本イーライリリー))
セマグルチド(遺伝子組換え)(販売名:オゼンピック皮下注0.25mgSD、同皮下注0.5mgSD、同皮下注1.0mgSD、同皮下注2mg、リベルサス錠3mg、同錠7mg、同錠14mg(ノボ ノルディスク ファーマ))
インスリン デグルデク(遺伝子組換え)/リラグルチド(遺伝子組換え)(販売名:ゾルトファイ配合注フレックスタッチ(ノボ ノルディスク ファーマ))
インスリン グラルギン(遺伝子組換え)/リキシセナチド(販売名:ソリクア配合注ソロスター(サノフィ))
チルゼパチド(販売名:マンジャロ皮下注2.5mgアテオス、同皮下注5mgアテオス、同皮下注7.5mgアテオス、同皮下注10mgアテオス、同皮下注12.5mgアテオス、同皮下注15mgアテオス(日本イーライリリー))

薬効分類:①~⑦は249その他のホルモン剤、396糖尿病用剤――。⑧は249その他のホルモン剤

指示概要:①~⑦の「重要な基本的注意」の項に、胆石症、胆嚢炎、胆管炎又は胆汁うっ滞性黄疸に関する注意を追記。⑧の「重要な基本的注意」の項における、急性胆道系疾患に関する注意を、胆石症、胆嚢炎、胆管炎又は胆汁うっ滞性黄疸に関する注意に変更。①~⑧の「重大な副作用」の項に「胆嚢炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸」を追記。

PMDAにおける副作用等報告データベースに登録された「急性胆道系疾患関連症例」の国内症例の集積状況:医薬品と事象との因果関係が否定できない症例は、①8例、②1例、③1例、④6例、⑤1例、⑥~⑧は各0例――。死亡は各0例。

改訂理由:GLP-1受容体作動薬含有製剤投与後に発生した急性胆道系疾患関連事象(胆嚢炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸)の国内症例及びGLP-1受容体作動薬と急性胆道系疾患との関連性を論じた公表文献を評価した。症例の因果関係評価及び使用上の注意の改訂要否について、専門委員の意見も聴取した結果、

1)GLP-1受容体作動薬含有製剤と急性胆道系疾患関連症例との因果関係が否定できない国内症例が集積したこと。
2)GLP-1受容体作動薬の胆嚢収縮抑制作用等の薬理機序から、胆石発生が促され、胆嚢炎等の急性胆道系疾患が引き起こされる可能性があること。
3)GLP-1受容体作動薬の使用により急性胆道系疾患のリスク上昇を示唆する公表文献が複数報告されていること。

との点を踏まえ、すべてのGLP-1受容体作動薬含有製剤の使用上の注意を改訂することが適切と判断した。また、チルゼパチドは、薬価未収載で関連する症例集積はないものの、GLP-1アゴニスト作用を有しており、GLP-1受容体作動薬と同様の副作用が起こる可能性は否定できないことから、専門委員の意見も聴取した結果、使用上の注意を改訂することが適切と判断した。

タゾバクタム・ピペラシリン水和物(販売名:ゾシン静注用2.25、同静注用4.5、同配合点滴静注用バッグ4.5(大鵬薬品) 等)

薬効分類:613 主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの

改訂理由:「重大な副作用」の項に「血球貪食性リンパ組織球症(血球貪食症候群)」を追記。

PMDAにおける副作用等報告データベースに登録された「血球貪食性リンパ組織球症」症例の集積状況:医薬品と事象との因果関係が否定できない国内症例は5例、海外症例は3例――。国内外とも因果関係が否定できない死亡は0例。

改訂理由:血球貪食性リンパ組織球症の国内症例及び海外症例を評価した。症例の因果関係評価及び使用上の注意の改訂要否について、専門委員の意見も聴取した結果、本剤と血球貪食性リンパ組織球症との因果関係の否定できない国内及び海外症例が集積したことから、使用上の注意を改訂することが適切と判断した。
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