シタラビン・ダウノルビシン塩酸塩 重大な副作用に「腫瘍崩壊症候群」を追記 添付文書改訂
公開日時 2026/02/12 04:47
シタラビンとダウノルビシン塩酸塩について、「重大な副作用」の項に「腫瘍崩壊症候群」を追記する添付文書改訂が行われた。厚生労働省医薬局医薬安全対策課が2月10日、課長名で添付文書改訂を指示したことを受けたもの。腫瘍崩壊症候群との因果関係が否定できない症例がシタラビンとダウノルビシン塩酸塩で各4例あり、ダウノルビシン塩酸塩では腫瘍崩壊症候群による死亡との因果関係が否定できない症例が1例確認された。
このほか、アキシチニブ、イブルチニブ、フルキンチニブ、アシクロビル(経口剤及び注射剤)、バラシクロビル塩酸塩、リオシグアト、ロナファルニブ、エンシトレルビルフマル酸塩――の添文改訂が行われた。
添付文書の改訂指示があった医薬品は次の通り。
▽シタラビン(製品名:キロサイド注、同N注、日本新薬 等)
▽ダウノルビシン塩酸塩(製品名:ダウノマイシン静注用、Meiji Seika ファルマ)
改訂概要:「重要な基本的注意」の項に腫瘍崩壊症候群に関する記載を追記する。「重大な副作用」の項に「腫瘍崩壊症候群」を追記する。
改訂理由:腫瘍崩壊症候群症例を評価した。症例の因果関係評価及び使用上の注意の改訂要否について、専門委員の意見も聴取した結果、シタラビン及びダウノルビシン塩酸塩と腫瘍崩壊症候群との因果関係が否定できない症例が集積したことから、使用上の注意を改訂することが適切と判断した。
腫瘍崩壊症候群の国内症例の集積状況:シタラビンと事象との因果関係が否定できない症例4例、うち死亡0例。ダウノルビシン塩酸塩と事象との因果関係が否定できない症例4例、うち事象による死亡との因果関係が否定できない症例1例。
▽アキシチニブ(製品名:インライタ錠、ファイザー)
改訂概要:「重大な副作用」の項に「急性膵炎」を追記する
改訂理由:急性膵炎関連症例を評価した。症例の因果関係評価及び使用上の注意の改訂要否について、専門委員の意見も聴取した結果、本剤と急性膵炎との因果関係が否定できない症例が集積したことから、使用上の注意を改訂することが適切と判断した。
急性膵炎関連症例の集積状況:医薬品と事象との因果関係が否定できない国内症例1例、うち死亡0例。医薬品と事象との因果関係が否定できない海外症例3例、うち死亡0例。
▽イブルチニブ(製品名:イムブルビカカプセル、ヤンセンファーマ)
改訂概要:「重要な基本的注意」の項にぶどう膜炎に関する注意を追記する。 「重大な副作用」の項に「ぶどう膜炎」を追記する。
改訂理由:ぶどう膜炎関連症例を評価した。症例の因果関係評価及び使用上の注意の改訂要否について、専門委員の意見も聴取した結果、本剤とぶどう膜炎との因果関係が否定できない症例が集積したことから、使用上の注意を改訂することが適切と判断した。
ぶどう膜炎関連症例の集積状況:医薬品と事象との因果関係が否定できない国内症例0例。医薬品と事象との因果関係が否定できない海外症例9例、うち死亡0例。
▽フルキンチニブ(製品名:フリュザクラカプセル、武田薬品)
改訂概要:「重要な基本的注意」の項にネフローゼ症候群に関する注意を追記する。 「重大な副作用」の項に「ネフローゼ症候群」を追記する。
改訂理由:ネフローゼ症候群症例を評価した。症例の因果関係評価及び使用上の注意の改訂要否について、専門委員の意見も聴取した結果、本剤とネフローゼ症候群との因果関係が否定できない症例が集積したことから、使用上の注意を改訂することが適切と判断した。
ネフローゼ症候群の国内症例の集積状況:医薬品と事象との因果関係が否定できない症例3例、うち死亡0例。
▽アシクロビル(経口剤及び注射剤)(製品名:ゾビラックス顆粒、同錠、同点滴静注用、グラクソ・スミスクライン 等)
▽バラシクロビル塩酸塩(製品名:バルトレックス顆粒、同錠、グラクソ・スミスクライン 等)
改訂概要:「重大な副作用」の項に「急性汎発性発疹性膿疱症」を追記する。
改訂理由:急性汎発性発疹性膿疱症症例を評価した。症例の因果関係評価及び使用上の注意の改訂要否について、専門委員の意見も聴取した結果、本剤と急性汎発性発疹性膿疱症との因果関係が否定できない症例が集積したことから、使用上の注意を改訂することが適切と判断した。
急性汎発性発疹性膿疱症の集積状況:アシクロビルと事象との因果関係が否定できない国内症例0例。海外症例2例、うち死亡0例。
バラシクロビル塩酸塩と事象との因果関係が否定できない国内症例2例、うち死亡0例。海外症例1例、うち死亡0例。
▽リオシグアト(製品名:アデムパス錠、バイエル薬品)
▽エンシトレルビル フマル酸塩(製品名:ゾコーバ錠、塩野義製薬)
▽ロナファルニブ(製品名:ゾキンヴィカプセル、アンジェス)
改訂概要:リオシグアトとエンシトレルビル又はロナファルニブとの併用を可能とし、リオシグアトは「併用注意」の項にエンシトレルビルとロナファルニブを追記する。エンシトレルビル及びロナファルニブは、いずれも「併用禁忌」の項からリオシグアトを削除し、「併用注意」の項にリオシグアトを追記する。
改訂理由:主にCYP1A1で代謝されることが判明したリオシグアトの承認取得者より、エンシトレルビル及びロナファルニブのCYP1A1に対する阻害作用を確認するためのin vitro試験結果が提出されたことから、改めて当該併用禁忌の見直しの必要性に係る調査を行った。
専門委員の意見も聴取した結果、相互作用によるリオシグアトの曝露量増加に伴う低血圧等のリスク最小化策(リオシグアトの開始用量・維持用量の減量、低血圧の症状及び徴候のモニタリング等)がなされることを前提に、リオシグアトとエンシトレルビル又はロナファルニブの併用を可能として差し支えないと判断された。