米国での医師リーチ率 1位はファイザー 日系企業の1位は武田薬品
公開日時 2023/02/22 04:52
米国市場における医師リーチ率の1位はファイザー、日系企業にしぼると1位は武田薬品――。日本のヘルスケア領域専門調査会社である社会情報サービス(通称SSRI)とエムスリーが米国の医師6000人超を対象に実施した調査結果をまとめた。MR訪問、オンライン面談、e-ディテールのいずれかのチャネルを通じて情報提供を受けたと認識した割合(=製薬企業から見た場合は「リーチ率」)を調べたところ、ファイザーのリーチ率は32.5%だった。多くの医師がMR訪問とe-ディテールでファイザーを認識。オンライン面談はMR訪問の半分程度の認識率だった。日系企業で1位の武田薬品のリーチ率は12.5%で、全体では17位だった。
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調査はエムスリーグループの「m3 Global Research」の会員医師を対象にインターネットで実施した。調査期間は2022年10月27日~11月24日。有効回答医師数は6085人。調査結果は「PatientsMap 2022年度アメリカ版」としてまとめた。
◎オンライン面談のリーチ率 高くて7~8% MR訪問の半分程度の水準
製薬企業54社の米国での活動状況の指標のひとつとして、医師へのリーチ率を調べた。3チャネルのいずれかで医師にリーチできた企業のトップ5は、1位がファイザー、2位がアボット(リーチ率31.2%)、3位がアストラゼネカ(29.2%)、4位がメルク(25.0%)、5位がアッヴィ(24.3%)――となった。
チャネル別のリーチ率を見てみると、ファイザーはMR訪問が17.3%、e-ディテールが16.7%、オンライン面談が8.2%(複数チャネルでのリーチがあるため合計とは一致しない)――、アボットは同17.8%、14.6%、7.2%――、AZは同15.5%、14.3%、6.8%――だった。オンライン面談によるリーチ率は、高くても7~8%であり、リーチ率上位企業ではMR訪問の半分程度の水準であることが確認された。
◎日系企業のリーチ率 トップ3は武田薬品、アステラス製薬、大塚製薬
米国で展開する日系企業を見てみると、3チャネルのいずれかで医師にリーチできた企業トップ5は武田薬品(12.5%、全体17位)、アステラス製薬(8.1%、31位)、大塚製薬(6.0%、37位)、第一三共(5.9%、38位)、エーザイ(5.5%、44位)――となった。武田薬品は、MR訪問によるリーチ率がe-ディテールやオンライン面談より高いが、ほか4社はe-ディテールの方がMR訪問よりもリーチ率が1ポイント前後高かった。オンライン面談のリーチ率は、5社ともチャネルの中で最も低かった。