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抗結核薬 「重要な基本的注意」に「薬剤逆説反応」に関する注意喚起を追記 添付文書改訂

公開日時 2023/03/24 04:50
厚生労働省医薬・生活衛生局は3月23日、全ての抗結核薬の「重要な基本的注意」に「薬剤逆説反応」に関する注意喚起を追記する添付文書改訂を指示した。具体的には、「本剤を含む抗結核薬による治療で、薬剤逆説反応を認めることがある。治療開始後に、既存の結核の悪化又は結核症状の新規発現を認めた場合は、薬剤感受性試験等に基づき投与継続の可否を判断すること」と追記する。

PMDAは、米国で一部の抗結核薬の添付文書が改訂されたことを契機に、日本における薬剤逆説反応の注意喚起の必要性を検討した。その結果、抗結核薬による薬剤逆説反応は、結核治療を行う医療従事者には既に知られている事象であり、国内症例を見ても「特段の問題は認められなかった」ものの、近年の結核の低蔓延化に伴い、結核指定医療機関以外においても結核治療を行う状況や結核治療経験の少ない医療従事者の増加が予想されることなどから、全ての抗結核薬を対象に使用上の注意を改訂することが適切と判断した。

このほか、抗がん剤・ステボロニン点滴静注バッグについて、「重大な副作用」の項に「咽頭・喉頭浮腫」を追記することも指示した。

添付文書の改訂指示があった医薬品は次の通り。

〈抗結核薬〉
▽①アルミノパラアミノサリチル酸カルシウム水和物(販売名:アルミノニッパスカルシウム顆粒99%(田辺三菱製薬))
イソニアジド(販売名:イスコチン原末、同錠100mg、同注100mg(アルフレッサファーマ))
イソニアジド(販売名:ヒドラ錠「オーツカ」50mg(大塚製薬工場))
イソニアジドメタンスルホン酸ナトリウム水和物(販売名:ネオイスコチン原末、同錠100mg(アルフレッサファーマ))
エタンブトール塩酸塩(販売名:エサンブトール錠125mg、同錠250mg(サンド))
エタンブトール塩酸塩(販売名:エブトール125mg錠、同250mg錠(科研製薬))
エチオナミド(販売名:ツベルミン錠100mg(Meiji Seika ファルマ))
エンビオマイシン硫酸塩(販売名:ツベラクチン筋注用1g(旭化成ファーマ))
カナマイシン硫酸塩(販売名:硫酸カナマイシン注射液1000mg「明治」(Meiji Seika ファルマ))
サイクロセリン(販売名:サイクロセリンカプセル250mg「明治」(Meiji Seikaファルマ))
ストレプトマイシン硫酸塩(販売名:硫酸ストレプトマイシン注射用1g「明治」(Meiji Seika ファルマ))
デラマニド(販売名:デルティバ錠50mg(大塚製薬))
パラアミノサリチル酸カルシウム水和物(販売名:ニッパスカルシウム顆粒100%(田辺三菱製薬))
ピラジナミド(販売名:ピラマイド原末(アルフレッサファーマ))
ベダキリンフマル酸塩(販売名:サチュロ錠100mg(ヤンセンファーマ))
リファブチン(販売名:ミコブティンカプセル150mg(ファイザー))
リファンピシン(販売名:リファジンカプセル150mg(第一三共) 等)
レボフロキサシン水和物(販売名:クラビット錠250mg、同錠500mg、同細粒10%(第一三共) 等)

改訂概要:「重要な基本的注意」の項に薬剤逆説反応に関する注意喚起を追記する。

PMDAにおける副作用等報告データベースに登録された「薬剤逆説反応」の国内症例の集積状況:医薬品との因果関係が否定できない症例数は、
▽①、④、⑦~⑩、⑫、⑬、⑮、⑯は 0例、▽②、③は11例、▽⑤、⑥は7例、▽⑪は1例、▽⑭は10例、▽⑰は8例、▽⑱は2例――。いずれも医薬品と事象による死亡との因果関係が否定できない症例は0例。

改訂理由:一部の抗結核薬の米国添付文書が改訂されたことを機に、PMDAは薬剤逆説反応の注意喚起の必要性を検討した。症例の因果関係評価及び使用上の注意の改訂要否について、専門委員の意見も聴取した結果、

1)抗結核薬による薬剤逆説反応は、結核治療を行う医療従事者には既に知られている事象であり、抗結核薬と薬剤逆説反応との因果関係が否定できない国内症例においても、本事象への対処に特段の問題は認められなかったものの、近年の結核の低蔓延化に伴い、結核指定医療機関以外においても結核治療を行う状況や結核治療経験の少ない医療従事者の増加が予想されること。
2)抗結核薬による薬剤逆説反応の機序は、結核菌の菌体に対するアレルギーによるとの考えが支持されており、本事象は結核治療の経過中に抗結核薬の種類によらず発現する可能性があること。

との点を踏まえ、全ての抗結核薬を対象に使用上の注意を改訂することが適切と判断した。

ボロファラン(10B)(販売名:ステボロニン点滴静注バッグ9000mg/300mL(ステラファーマ))

改訂概要:「重大な副作用」の項に「咽頭・喉頭浮腫」を追記。

PMDAにおける副作用等報告データベースに登録された「咽頭・喉頭浮腫関連症例」の国内症例の集積状況:医薬品と事象との因果関係が否定できない症例は4例。因果関係が否定できない死亡は0例。
「気道閉塞関連症例」の国内症例の集積状況:医薬品と事象との因果関係が否定できない症例は2例。因果関係が否定できない死亡は0例。

改訂理由:本剤と医療機器のホウ素中性子捕捉療法用中性子照射装置を用いる治療(以下、「本治療」)における咽頭・喉頭浮腫関連症例及び気道閉塞関連症例の国内症例を評価した。症例の因果関係評価及び使用上の注意の改訂要否について、専門委員の意見も聴取した結果、本治療との因果関係の否定できない咽頭・喉頭浮腫関連症例及び気道閉塞関連症例が集積したことから、使用上の注意を改訂することが適切と判断した。 
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