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厚労省・後発品検討会 品目数適正化に向けて重複品目統合へ 薬事制度や「薬価削除」も論点に

公開日時 2023/08/22 05:06
厚労省の「後発医薬品の安定供給等の実現に向けた産業構造のあり方に関する検討会」は8月21日、品目数の適正化に向けて、1品目に多くの企業が参入する“重複品目”の統合を進める方針を了承した。後発品の安定供給実現に向け、少量多品目生産という構造的課題の解消が求められるなかで、この日の検討会では「品目統合」に焦点が当たった。議論では、統合が進まない背景として、一変申請から実現まで数年かかるなど、薬事制度の課題が浮かび上がった。こうしたなかで、品目統合の手法として、「薬価削除」のあり方を検討する必要性を指摘する声もあり、今後の焦点となりそうだ。

後発品の安定供給に向けて、品目の適正化が重要になるなかで、この日の検討会では「品目統合」に焦点が当たった。厚労省はこの日の検討会に、「多品目構造となる要因分解(全体像)」を提示した。「新規参入(薬事承認・薬価収載)」、「品目統合」の2つにわけ、一定の課題があると指摘した。

品目統合については、薬事制度や流通など、統合を阻害する障壁があるほか、統合を行っても薬価制度などでメリットがないと指摘した。実際、製薬企業7社に実施したヒアリングでも、「製造所集約や、撤退品目分の生産ライン移管・スケールアップ、原薬切り替え等に関しての製造販売承認事項一部変更申請(一変申請)に一定程度時間を要する」との意見があったことなどを紹介した。

◎日医工再建のファンド 生産性向上マインド醸成しづらい産業構造に課題認識

この日は、経営再建を目指す日医工を支援する企業再生ファンドのジェイ・ウィル・パートナーズ(JWP)からヒアリングを行った。このなかでも、業界の課題として、「品目統合」をめぐる課題を指摘する声があがった。自社内の品目統合を行うに際し、スケールアップに伴う申請などに数年単位の期間を要するために、生産性向上に向けたモチベーションやマインドが醸成されにくい産業構造があることなどが指摘された。一方で、構成員からは、「薬事手続きを大幅に簡略化することは難しい。簡略化することで後に品質問題が発生してしまうリスクもある。品目統合よりも、新規参入を絞っていくことが重要ではないか」との指摘もあった。

一方で、新規参入(薬事承認・薬価収載)をめぐっては、共同開発が認められていることや、後発品の薬事承認・薬価収載に際し、製造キャパシティが要件となっていないために、参入障壁が低いことが指摘されている。構成員からは、「薬価収載時に、製造能力を評価するという対応は考えられるのでは」との声もあがった。また、共同開発や委受託のあり方についての検討を求める声もあったという。

◎少量多品目構造「内用剤」から解消を 

少量多品目構造を優先的に解消する品目としては、剤形の観点から「内用剤」を上げる声も複数あがった。剤形別にみると、内用剤で品目数が最も多く、2023年時点では平均14品目/成分となっている状況にある。構成員からは、「注射剤は企業が限られていることや、外用剤は引継ぎの難しさがあることから、内用剤をターゲットとするのがいいのでは」などの声があったという。


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