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厚労省・安定確保供給情報WG 医薬品供給情報共有へ議論スタート システム化も視野

公開日時 2023/09/08 04:52
厚労省の「医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議」の下に設置した「供給情報ワーキンググループ」は9月7日、初会合開き、医薬品の供給情報のタイムリーな共有に向けた議論を開始した。製造販売業者や医薬品卸からの情報提供は、企業によって内容に差があることや、タイムラグの存在などが指摘されている中で、必要な情報共有項目や報告頻度、手法などについて議論を深める。供給不安が長引く理由として、企業側の課題だけでなく、医療機関や薬局の在庫偏在が指摘される中で、在庫量の把握に向けた情報共有のあり方も検討する。厚労省は、議論を踏まえ、情報共有のシステム化も含めた必要な対応を行う方針。WGでは今年中に親会議に中間報告を行い、年度末までに最終報告を取りまとめる見通し。

◎平時では供給リスク発生の早期把握・対応を目的に

厚労省は、医薬品の供給情報について「平時(供給不安発生前)」と「有事(供給不安発生時)」のそれぞれに対し、「供給側(製造販売業者や卸など)」、「需要側(医療機関や薬局)」にわけて整理した。

平時については、供給リスク発生の早期把握・対応を目的に、供給不安が生じる恐れがある場合に製造販売業者から国に対して報告を求めることを基本的な考え方とした。そのうえで、供給不安を未然に防止するために、増産依頼や代替薬の調整などの早期対応を行うために必要な情報は何か検討する方針。

◎供給側の情報共有「スピード感を持った議論を」、「買い占めリスク踏まえた開示を」

一方、供給不安が起きた“有事”の情報共有については、「適切な情報共有による医療現場の不安軽減、買い占めなどの防止、在庫の偏在の緩和、それらによる適切な医療の維持」を目的とする。

製薬企業など供給側については、医療現場で供給不安に適切に対応できるよう、供給状況を共有することを基本的な考え方として示した。現行では日本製薬団体連合会(日薬連)の緊急調査事業で供給不安の状況が調査されているが、1か月に1回でタイムリーではないことや、供給不安品目のシェアなど、実際の臨床への影響度を判断できる情報が不足していることなどが指摘されている。医療現場において、供給不安に適切に対応するために必要な情報共有項目、頻度、手法などについて議論を深める。

また、24年度から改正感染症法が施行される中で、国への報告を義務づける対象の設定と行政指導で報告を求める範囲とレベルの明確化について検討する方針。

構成員からは、「どういう情報共有が必要なのかという議論だと長期的な議論になるが、足下の供給不安を踏まえてスピード感を持って対応する必要がある」、「予防的にすべての情報を公表すると買い占めにつながるリスクもある。工場や製造所の原材料供給など製造側のリスクは実際の供給停止につながるまでタイムラグがあるので、すべて公表するかは検討が必要ではないか」などの意見があがった。

◎供給不安時の在庫偏在対策で関係者間の連携強化を 「地域での在庫共有」も一考

一方、需要側については、供給不安時に一部医療機関・薬局の買い占めなどにより、在庫の偏在が起きていることも指摘されている。情報共有に向けては「医療上必要不可欠な医薬品等については、在庫情報の共有又は関係者間の連携を強化する」ことを基本的な考え方とする。一方で、医療機関や薬局の在庫を明らかにするための医療現場の報告負担が大きいことから、必要性や費用対効果とのバランスも重要になる。「共有を緊急時に限るといった発動条件の設定や、医薬品の範囲や共有の対象を限定するなど、適用範囲の検討等が必要」との声もあり、こうした点も踏まえた議論を進める方針。

構成員からは、「市中の在庫、卸や医療機関、薬局の在庫を把握しただけでは偏在の解決にはつながらないのではないか。在庫量を把握したうえでどう分配するか対策も必要になる」、「例えば地域での在庫共有のあり方が考えられるのではないか」などの声があがった。

◎内山審議官「供給情報という情報の力で課題解決を」

会議冒頭で、挨拶した内山博之医薬産業振興・医療情報審議官は長引く供給不安の背景について、「医薬品の供給情報が医療機関や薬局といった医療現場や、患者・国民にしっかりと共有されていないことが一つの原因ではないか」と表明。「医薬品の供給側であるメーカーや卸売販売業の側の情報、あるいは医療機関や薬局といった需要側の情報について、収集や提供をどのようにしていくべきか。あるいはどのような手段や方法が適切なのか。情報としてどのような内容が必要なのか。迅速な情報共有はどのように行えばよいかなど、医薬品の供給情報の収集あるいは医療現場への情報提供の仕方を整理、検討していただく場として供給情報ワーキンググループを設置した」と説明した。

また、医療DXについても管掌していることから、「一般的な話になるが、DXはデジタルや情報の力で課題を解決することだと思っている。このWGでも、まさに供給情報という情報の力で課題を解決できるような方向に議論を進めていただきたい」と訴えた。




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