CSLベーリング・アルフレッサ 血友病治療薬の宅配サービス本格開始 温度管理など患者の運搬負担軽減
公開日時 2023/10/04 04:51
CSLベーリングとアルフレッサは10月3日、血友病B治療薬・イデルビオン、血友病A治療薬・エイフスチラを処方する患者への医薬品の宅配サービスを開始すると発表した。アルフレッサの「Home Care Delivery」を利用するもので、医療機関からの発注・納品はアルフレッサの特殊管理流通が担い、患者宅への配送・引き渡しはヤマトグループの全国配送を活用する。温度管理が必要な医薬品の運搬に要する患者の負担を軽減する狙いがある。まずは、関東、中部、近畿(一部地域は除く)の医療機関を対象にサービスを本格稼働した。
医薬品の患者宅配送を実施する背景には、新型コロナウイルス感染症に伴う受診患者の感染リスク回避や、薬機法改正による遠隔服薬指導解禁など環境変化への対応がある。特に血友病患者の場合、自宅に持ち帰る医薬品の量が多いことに加えて、温度管理が求められることから、自宅への医薬品宅配サービスに対するニーズが高まっていた。こうした状況からCSLベーリングとアルフレッサは、2021年から関東圏でイデルビオンを用いた患者宅配送のパイロット運用を実施。医薬品の品質を担保しながら患者の手元まで安全に配送できることを確認した。
◎CSLベーリング 患者サポートプログラムを用意「薬剤の運搬負担軽減がQOL向上に」
CSLベーリングは今回のサービス運用に先立ち、「CSLベーリング患者サポートプログラム」を用意している。患者の治療満足度やQOL向上を目指し、医薬品配送サービス、専任看護師による治療サポートプログラム「Myパートナー」、治療管理のアプリ「CSL IgGサポートナビ」、「HAE日誌」などのプログラムを提供している。同社は、「患者の薬剤運搬の負担軽減がQOL向上につながることを期待する。さらに医療機関での不良在庫や廃棄のリスク低減にも寄与できる」と強調した。
◎アルフレッサ「医療機関の在庫管理や廃棄リスクの低減に貢献」
アルフレッサは、「患者の負担軽減や医療機関の在庫管理や廃棄リスクの低減に貢献する」と説明。また、「オンライン診療・オンライン服薬指導と同サービスを組み合わせることで、将来的にはスペシャリティ医薬品を必要とする患者の自宅で、診察、投薬、服薬指導、および配送までを全て行うことが可能になる」との期待感を表明した。同社は引き続きスペシャリティ医薬品への患者アクセスの向上に貢献する方針で、製薬企業と連携し、対象医薬品を拡大する。また、多くの患者と医療機関が同サービスを活用できるような普及活動を推進する。