製薬協・石田常務理事 販売情報提供活動GLのQ&A 状況と場面設定で医療者からの”求め”線引き検討
公開日時 2023/10/20 04:52
日本製薬工業協会(製薬協)の石田佳之常務理事は10月19日の理事会後会見で、MRの情報提供活動について、「あまりにもコードや販売情報提供活動ガイドラインを意識し過ぎて、いわゆる情報提供、コミュニケーションの範囲内で求められてはいるが、”お答えできない”という対応をしてしまっているケースが確かにある」として、製薬協の中で、この”線引き”を検討していることを明らかにした。厚労省医薬局監視指導・麻薬対策課は、製薬協などと協力し、販売情報提供活動ガイドラインのQ&A策定に向けた検討を進めている。石田常務理事は、「新たな状況と場面を設定したうえでの販売情報提供活動ガイドラインのQ&A作成を一つ進めていきたい」と述べた。
石田常務理事は、厚労省医薬局監視指導・麻薬対策課が8月に公表した「2022年度医療用医薬品の販売情報提供活動監視事業」の報告書を引き合いに、営業を中心としたコードの遵守状況を説明した。報告書で指摘された広告違反が疑われた医薬品数は17件、違反が疑われた項目は延べ23項目で、前年度に比べて違反疑い件数、疑い延べ項目数とも3件減少していた。石田常務理事は、「指摘された件数は、昨年並みに低いレベルに抑制されていた」と説明。一方で、指摘を受けている事例については、「医療従事者から求められてもいないのに説明をしてしまって、指摘を受けているということ。勇み足な活動をしてしまえばそういうこと(違反事例)にはなるのでは」と述べた。
石田常務理事は、「営業の皆さんの活動は安全地帯を保ったうえで行動されている」との所感を語ったうえで、「逆に少し踏み込んでもいいのではないかとの考えもある」と表明。「あまりにもコードや販売情報提供活動ガイドラインを意識し過ぎて、いわゆる情報提供、コミュニケーションの範囲内で求められてはいるが、”お答えできない”という対応をしてしまっているケースが確かにある」として、「製薬協の中で、どういうラインを引くのがいいんだろう、線を引くのがいいのか検討している最中だ」と説明した。厚労省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課も同様の認識を示しているとして、「新たな状況と場面を設定したうえでの販売情報提供活動ガイドラインのQ&A作成を一つ進めていきたい」と述べた。
◎「医薬品の方法提供とは何か考えたうえでより適切な情報提供を」 11月はコード理解促進月間
製薬協は11月を「コード・オブ・プラクティス「コード理解促進月間」」と設定。「誠実な行動で社会の期待に応えます すべては患者さんのために」をテーマに、会員会社が一体となってコード遵守に取り組んでいる。石田常務理事は、「医薬品の情報提供とはどういうことか、考えたうえで、より適切な情報提供を行ってほしい」と呼びかけた。