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アイリーアの高濃度製剤など9製品を審議へ 12月8日の薬食審・第一部会で

公開日時 2023/11/27 04:50
厚生労働省は12月8日に薬食審・医薬品第一部会を開き、バイエル薬品の眼科用VEGF阻害薬・アイリーアの投与間隔延長を可能とする高濃度製剤(8mg製剤)など新薬9製品の承認の可否を審議する。新有効成分含有医薬品は、アレクシオンファーマの発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)治療薬・ボイデヤ錠(一般名:ダニコパン)などが含まれる。

【審議予定品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)

レキサルティ錠1mg、同錠2mg、同OD錠0.5mg、同OD錠1mg、同OD錠2mg(ブレクスピプラゾール、大塚製薬):「うつ病・うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。

大塚製薬が創製した非定型抗精神病薬。現在、統合失調症の効能効果で承認されている。今回の効能追加申請は、既存の抗うつ薬(SSRIまたはSNRI)治療で反応不十分だった患者を対象に、抗うつ薬に上乗せして有効性・安全性を評価した国内第3相試験結果等に基づき行われた。

なお、レキサルティについて、大塚製薬は23年10月31日に「アルツハイマー型認知症に伴うアジテーション」の国内効能追加申請を発表している。

ヒフデュラ配合皮下注(エフガルチギモド アルファ(遺伝子組換え)、ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)、アルジェニクスジャパン):「全身型重症筋無力症(ステロイド剤又はステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に限る)」を対象疾患とする新医療用配合剤。

抗FcRn抗体フラグメント製剤のウィフガート(エフガルチギモド アルファ)が「全身型重症筋無力症(ステロイド剤又はステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に限る)」の効能効果で承認されている。ウィフガートが点滴静注製剤であるのに対し、ヒアルロン酸分解酵素ボルヒアルロニダーゼ アルファとの配合剤であるヒフデュラは皮下注製剤となる。

アイリーア8mg硝子体内注射液114.3mg/mL(アフリベルセプト(遺伝子組換え)、バイエル薬品):「中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性、糖尿病黄斑浮腫」を対象疾患とする新剤形医薬品。

眼科用VEGF阻害薬。現在、アイリーアは「中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性」と「糖尿病黄斑浮腫」の効能効果を持っているが、維持用量は2mg(0.05mL)を「2ヵ月ごとに1回、硝子体内投与」となっている。8mg製剤(高濃度製剤)は、有効性と安全性を損なうことなく投与間隔を延長し、治療負担を軽減することを目指し開発された。

リツキサン点滴静注100mg、同点滴静注500mg(リツキシマブ(遺伝子組換え)、全薬工業):「▽下記の臓器移植における抗体関連型拒絶反応の抑制:腎移植、肝移植、心移植、肺移植、膵移植、小腸移植――。▽下記の臓器移植における抗体関連型拒絶反応の治療:腎移植、肝移植、心移植、肺移植、膵移植、小腸移植」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。

臓器移植における抗体関連型拒絶反応は、レシピエントが保有する抗HLA抗体等に起因して生じる拒絶反応であり、発現機序や現在実施されている処置等については、移植臓器による差異はない。本剤は、抗体産生細胞に分化するヒトB細胞に結合して傷害することから、「臓器移植における抗体関連型拒絶反応」の原因となる抗体産生を直接的に抑制すると考えられている。

▽①ラパリムス顆粒0.2%②同錠1mg(シロリムス、ノーベルファーマ):「下記の難治性脈管腫瘍及び難治性脈管奇形:リンパ管腫(リンパ管奇形)、リンパ管腫症、ゴーハム病、リンパ管拡張症、血管内皮腫、房状血管腫、静脈奇形、青色ゴムまり様母斑症候群、混合型脈管奇形、クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群」を対象疾患とする①新効能・新用量・剤形追加に係る医薬品②新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。

mTOR阻害薬。現在、錠剤は「難治性リンパ管疾患(リンパ管腫(リンパ管奇形)、リンパ管腫症、ゴーハム病、リンパ管拡張症)」の効能を持っている。今回、「難治性リンパ管疾患」を「難治性脈管腫瘍及び難治性脈管奇形」に書き換え、「リンパ管腫(リンパ管奇形)、リンパ管腫症、ゴーハム病、リンパ管拡張症」に「血管内皮腫、房状血管腫、静脈奇形、青色ゴムまり様母斑症候群、混合型脈管奇形、クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群」を追加する。また、顆粒を追加する。

レボレード錠12.5mg、同錠25mg(エルトロンボパグ オラミン、ノバルティス ファーマ):「再生不良性貧血(小児用量の追加)」を対象疾患とする新用量医薬品。希少疾病用医薬品。

ボイデヤ錠50mg(ダニコパン、アレクシオンファーマ):「発作性夜間ヘモグロビン尿症」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。

補体D因子のセリンプロテアーゼ活性を阻害する経口剤であり、補体第二経路のC3転換酵素の形成を抑制すると考えられている。補体C5阻害薬のラブリズマブ又はエクリズマブと併用することで、血管外溶血を抑制することが期待されている。

ゾキンヴィカプセル50mg、同カプセル75mg(ロナファルニブ、アンジェス):「ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群及びプロセシング不全性のプロジェロイド・ラミノパチー」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。

米アイガー社が米国において 2020 年11月に承認を取得し販売している。アンジェスは22年5月にアイガー社と日本における独占販売契約を締結した。日本国内において使用が見込まれる患者数は数名程度と見込んでいる。

エヴキーザ点滴静注液345mg(エビナクマブ(遺伝子組換え)、Ultragenyx Japan):「ホモ接合体家族性高コレステロール血症」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。

抗ANGPTL3モノクローナル抗体。LDL受容体を介さずにLDL-Cを低下させると考えられたことから、LDL受容体が活性をほとんど示さないホモ接合体家族性高コレステロール血症(HoFH)患者に対して有効な新規作用機序の薬剤として期待されている。

【報告予定品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
報告品目は医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せず、報告のみでよいと判断されたもの。

ミオMIBG-I123注射液(3-ヨードベンジルグアニジン(123I)、PDRファーマ):「パーキンソン病及びレビー小体型認知症の診断における心シンチグラフィ」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。

プログラフカプセル0.5mg、同カプセル1mg、同カプセル5mg、同顆粒0.2mg、同顆粒1mg
グラセプターカプセル0.5mg、同カプセル1mg、同カプセル 5mg
(タクロリムス水和物、アステラス製薬):「腎移植における拒絶反応の抑制」を対象疾患とする新用量医薬品。希少疾病用医薬品。

ジェノトロピンTC注用5.3mg、同TC注用12mg、同ゴークイック注用5.3mg、同ゴークイック注用12mg(ソマトロピン(遺伝子組換え)、ファイザー)」:「プラダー・ウィリ症候群における体組成異常」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。

遺伝子組換え天然型ヒト成長ホルモン製剤。プラダー・ウィリ症候群は、肥満、糖尿病、低身長、性腺機能不全などの内分泌学的異常と、発達遅滞、筋緊張低下、特異な性格障害・行動異常などの神経学的異常を呈する症候群であり、15番染色体長腕q11-q13に位置する父由来で発現する遺伝子の働きが失われたことで発症すると考えられている。
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