武田薬品 がん研と開発提携契約締結 治験デザインや対象疾患の選択で早期から知見共有
公開日時 2024/04/24 04:49
武田薬品と公益財団法人がん研究会は4月22日、がん領域の開発提携に関する契約を締結したと発表した。契約に基づき、グローバル早期臨床試験や橋渡し研究(トランスレーショナルリサーチ・リバーストランスレーショナルリサーチ)の推進などを目的に、双方の強みを生かした交流を行い、現在進めている医薬品開発で必要な情報共有や協議を行う。画期的な抗がん剤を創出し、いち早くがん患者に届けることを目指す。
武田薬品によると、これまでは社内で臨床開発計画が決定してから、医療機関やアカデミアに治験参加を依頼する流れが一般的だった。今回の提携により、例えば治験デザインや対象疾患の選択といった早期の段階から日常的に知見を共有することができ、結果として「臨床開発の効率化や加速化が期待できる」としている。
契約期間は2024年3月~27年3月の3年間。双方に解約の意思がなければ年単位で契約を更新するスキームとなっている。
がん研究会の浅野敏雄理事長は、「全世界にわたる卓越した創薬研究開発力を持つ武田薬品と、病院部門と研究部門が一体化した特徴的な組織を持つがん研究会が共に歩むことで、我々の理念である“がん克服”に一層近づくことを確信している」とコメント。武田薬品のOncology Therapeutic Area Unit HeadのPhuong Khanh Morrow氏は、「がん研究会の臨床研究の知見と、当社の臨床開発力を組み合わせることで相乗効果を発揮し、新たな治療法の開発を前進させていけるものと期待している」と話している。