卸連・宮田会長 総合経済対策の”安定供給の維持・強靭化へ強力な支援行う”との明記「非常に意味がある」
公開日時 2025/11/28 04:51

日本医薬品卸売業連合会(卸連)の宮田浩美会長は11月27日の定例会見で、政府の総合経済対策の中で「医薬品卸による安定供給の維持・強靱化への強力な支援を行う」と明記されたことについて、「非常に意味のあること」と強調した。さらに、総合経済対策の施策例のひとつに「医薬品卸業者に対する継続的な安定供給支援事業(厚生労働省)」と明記されたことにも触れ、「予算規模はわからないが、『継続的』との文言が入ったことから単発(の支援)ではないと思う」との見方も示し、予算規模や支援事業の内容を注視していく構えをみせた。
政府が6月に閣議決定した骨太方針2025では、「取り巻く環境の変化を踏まえた持続可能な流通の仕組みの検討を図る」と初めて医薬品流通に係る文言が入った。骨太方針2025では持続可能な医薬品流通に向けて「検討」するとされたが、政府が11月21日に閣議決定した総合経済対策では、「安定供給の維持・強靭化への強力な支援を行う」と踏み込んだ内容になった。
宮田会長は、総合経済対策に書き込まれた医薬品流通に係る文言の意味合いについて、「我々の価値、医療用医薬品をしっかり安定供給させる重要性への認識を深めていただいた結果」だと述べた。
また、このような書きぶりになった背景には、平時・有事を問わず、全国で医薬品卸が厳しい環境下でも医薬品流通に尽力してきたことがあると強調した。そして、「(医薬品卸は)5年にわたる需給調整などでものすごく疲弊しながら、苦しみながら、課題を持ちながら活動し、今がある」とし、この日の理事会でも各理事に対し、「地元に帰ったら、現場で汗を流している会員企業の社員の皆さんを褒めてもらいたい。皆さんの努力でこういった書き込みになったと周知してほしい」と呼びかけたことを紹介した。
◎安定供給の基盤になっている部分に対する投資への支援を
宮田会長は、総合経済対策に盛り込まれた医薬品流通に対する「強力な支援」や「継続的な安定供給支援事業」について、「具体的にどういう予算がついて、どういう形での支援になるのかはこれからの話」とも述べた。
どのような支援を期待するかについては、「安定供給の基盤になっている部分に、我々は様々な投資をしている」と話した。そして、▽物流センター、▽自然災害などの緊急事態でも必要な医薬品を供給できるようにするBCP対応、▽医薬品の品質管理(GDP)――などを挙げて、「どの医薬品卸でも少なからず継続的に投資している。そういったところの支援ができるか、できないかだと思う」との見方を示した。