小野薬品とBMS 米国でオプジーボの皮下注製剤を一変申請 日本は固形がん対象に第1相試験段階
公開日時 2024/05/08 04:49
小野薬品とブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)は5月7日、米国FDAが抗PD-1抗体・オプジーボの皮下注製剤に関する生物学的製剤承認一部変更申請(sBLA)を受理したと発表した。PDUFAに基づく審査終了の目標期日は2025年2月28日。両社は、「オプジーボの皮下注製剤は、最初で唯一の皮下投与が可能なPD-1阻害薬となる可能性がある」としている。なお、日本では1月24日時点で、「固形がん」を対象疾患に第1相臨床試験の段階にある。
オプジーボの皮下注製剤は、Halozyme社の組換えヒトヒアルロニダーゼ(rHuPH20)を配合したもの。米国で一変申請されたオプジーボの皮下注製剤の対象疾患は、▽オプジーボの単剤療法、▽オプジーボとヤーボイの併用療法後のオプジーボ単剤維持療法、▽オプジーボと化学療法又はカボザンチニブとの併用療法――で、これまでに承認されたすべての成人固形がんが対象となる。固形がんは胃がん、非小細胞肺がん、腎細胞がん、食道がん、尿路上皮がん、頭頸部がん、メラノーマ、大腸がん――となる。
◎「30~60分の点滴静注ではなく、3~5分の皮下注という利便性の向上をもたらす」
BMSのバイスプレジデント兼グローバル開発プログラム責任者であるGina Fusaro氏は、オプジーボの皮下注製剤について、「患者さんの生活に大きな変化をもたらす可能性があると信じており、それは、FDAが私たちの申請を受理したことでさらに裏付けられている」とコメント。そして、「FDAの承認が得られれば、オプジーボの皮下注は患者さんとその医師にとって、オプジーボの点滴静注と同様のベネフィットを提供しつつ、30~60分の点滴静注ではなく、3~5分の皮下注という利便性の向上をもたらす新しい治療選択肢を提供することになる」と指摘した。
今回のFDAの申請受理は第3相CheckMate-67T試験に基づく。同試験は、全身療法による治療歴を有する進行または転移性淡明細胞型腎細胞がん(ccRCC)患者を対象にしたもの。オプジーボの皮下注製剤は、本試験の2つの主要評価項目であるCavgd28(初回投与後28日目までのオプジーボの平均血清中濃度)およびCminss(定常状態における最低血清中濃度)において、オプジーボ点滴静注に対する非劣性を示した。また、オプジーボの皮下注製剤は、盲検下独立中央評価委員会(BICR)の評価による奏効率(ORR)においてオプジーボ点滴静注に対する非劣性も示した。オプジーボの皮下注製剤の安全性プロファイルは、オプジーボ点滴静注のものと一貫していた。