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アムジェンと武田薬品 結腸・直腸がんに対するルマケラスとベクティビックスの併用療法を一変申請

公開日時 2024/11/11 04:50
アムジェンと武田薬品は11月8日、KRAS G12C変異陽性の切除不能な進行・再発の結腸・直腸がんを対象疾患に、KRAS G12C阻害薬・ルマケラス錠(製造販売元:アムジェン)と抗EGFRモノクローナル抗体・ベクティビックス点滴静注(同:武田薬品)との併用療法を一変申請したと発表した。今回の申請における主要な試験「CodeBreak300試験」は、ルマケラス及びベクティビックスの開発元であるアムジェンが実施した。

結腸・直腸がん(CRC)は全世界で男女ともに3番目に多く診断されるがんで、がんの部位別死亡原因の第2位。日本における2023年の予測CRC罹患数は16.1万人で、男女合わせて最も多い。年間死亡数は5.4万人と推定され、がんによる死亡原因の第2位となっている。早期のCRCは外科的切除が可能だが、転移性のCRCは依然として予後が不良で治療選択肢が限られており、新たな治療オプションが待ち望まれている。

CRC患者の約3%がKRAS G12C変異を有すると推定されている。また、KRAS G12C変異を有する患者は、他のKRAS遺伝子変異を有する患者と比較して予後が悪いと報告されている。現在、日本においてKRAS G12C変異を含むKRAS変異を標的としたCRCに対する治療薬は承認されておらず、KRAS変異陰性CRC患者と比較して治療選択肢が少ないため、大きなアンメット・メディカル・ニーズが存在している。

今回の一変申請は、KRAS G12C変異陽性の既治療の転移性の結腸・直腸がん(CRC)患者を対象として、ルマケラスの2用量(240mg又は960mg)とベクティビックスを併用投与した際の有効性および安全性を評価する、第3相、国際共同、多施設共同、ランダム化、非盲検、実薬対照試験(CodeBreaK300試験)から得られた結果に基づき行った。

本試験では、主要評価項目である中央判定に基づく無増悪生存期間において、ルマケラス960mgとベクティビックスの併用投与群で、治験担当医師が選択した標準治療群と比較して統計学的に有意な延長が示された。アムジェンによると、ルマケラス960mgとベクティビックスの併用投与で認められた有害事象は、「いずれも個々の薬剤で報告されている既知の安全性プロファイルと同様で、併用による新たな安全性の懸念は認められず、併用投与による安全性プロファイルは許容可能だった」としている。

ルマケラス(一般名:ソトラシブ)は、KRAS G12C変異タンパクに特異的に結合し、不可逆的に阻害する低分子化合物であり、KRAS G12C変異を有する固形がんに対する開発を進めている。現在の日本の効能・効果は、「がん化学療法後に増悪したKRAS G12C変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」。

ベクティビックス(一般名:パニツムマブ)は、武田薬品が米アムジェンから日本に導入した製剤で、がん細胞の表面に出ている上皮細胞増殖因子の受容体に自ら結合することで、腫瘍の縮小効果を示す。現在の効能・効果は「KRAS遺伝子野生型の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん」となっている。
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