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ツムラ・加藤社長 「強い決意で安定供給体制確立目指す」 限定出荷も11月末に解除見通し

公開日時 2024/11/11 04:50
ツムラの加藤輝和代表取締役社長CEOは11月9日、2024年度第2四半期決算説明会で、「強い決意の下、設備投資や研究に配分し、安定供給体制の確立を目指してきた」と述べた。設備投資額は24年度に340億円計上し、国内外の工場の新設やリニューアルを積極的に進める。限定出荷の解除も進めており、麦門冬湯についても11月末で解除する見通しを示した。

◎医療用漢方製剤 売上高21.0%増の771億円

24年度上期の売上高は前年同期比18.3%の890億7100万円、営業利益は106.4%増の210億7500万円、親会社株主帰属中間純利益は94.4%増の175億200万円の増収増益だった。

国内事業の医療用漢方製剤では、24年度薬価改定で66品目に不採算品再算定が適用されたことで、薬価が引き上げられた。24年上期売上高は21.0%増の771億100万円だった。不採算品再算定を受けた品目の製品別売上高は、大建中湯75億1000万円(前年同期比52.1%増)▽抑肝散58億1600万円(52.3%増)▽芍薬甘草湯35億3900万円(48.8%増)▽防風通聖散29億1900万円(59.9%増)▽牛車腎気丸28億3000万円(54.1%増)▽当帰芍薬散21億8200万円(53.7%)―だった。

◎茨城工場に新棟建設 生産性向上へ国内外の工場に積極投資

同社は、安定供給体制の強化や生産性向上に向け、国内外の工場で新設やリニューアルを積極的に進めている。9月には茨城工場(茨城県阿見町)で漢方エキス粉末(中間製品)を製造する第4SD棟と、原料生薬を保管する第3生薬棟の建設を発表。2棟の総投資額は計約380億円で27年度末の竣工を予定している。ロボットや自動化設備の導入も進める予定で、半田宗樹取締役CFOは「将来の数量伸長を見据えて安定供給体制を盤石なものとするため、必要な投資を継続的に進めていく」と述べた。

◎中国事業 規制緩和によりボトルネック解消 「全てにおいて追い風」

中国事業では、中国における外商投資規制(ネガティブリスト)の緩和により、これまで外資企業では規制されていた「修治」と呼ばれる原料生薬の加工が可能になった。これまで外資系企業では規制されており、「販売品目や販路の拡大にあたってボトルネックになっていた」(加藤社長)という。中国での製造工程を自社グループで対応できるようになることから、加藤社長は「中国事業全てにおいて追い風になる」と期待を込めた。

【24年度上期連結業績(前年同期比) 24年度予想(前年度比)】
売上高 890億7100万円(18.3%増) 1850億円(22.6%増)
営業利益 210億7500万円(106.4%増) 395億円(97.3%増)
親会社株主帰属純利益 175億200万円(94.4%増) 285億円(70.6%増)

【24年度上期の国内主要製品売上高(前年度実績)、億円】
大建中湯 75(49)
抑肝散 58(38)
補中益気湯 39(41)
五苓散 39(37)
六君子湯 36(37)
芍薬甘草湯 35(24)
防風通聖散 29(18)
牛車腎気丸 28(18)
加味逍遙散 24(26)
当帰芍薬散 22(14)
加味帰脾湯 11(12)
人参養栄湯 11(11)
半夏瀉心湯 7(7)
 
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