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アレクシオン・濱村次期社長 希少疾患のリーダー企業として「2桁成長遂げる」日本市場から世界を牽引

公開日時 2024/11/14 04:51
アレクシオンファーマ合同会社の代表取締役社長に25年1月から就任する濱村美砂子氏は11月13日、東京都内で記者会見し、希少疾患のリーディングカンパニーとして「確固たる地位確立のための成長戦略」に注力する方針を明示した。一例として日本が世界に先駆けて承認を取得し、今年4月に発売したPNH治療薬・ボイデヤを例にあげながら、「今後も2桁成長を遂げ、日本が主要マーケットとなるよう貢献したい」と表明した。また、パイプラインの「拡充」にも意欲を示した。濱村次期社長は、「外資の日本支社として珍しい取り組み」と話しながら、日本市場に特化したパイプラインのライセンス契約の獲得にも取り組む考えを明らかにした。

◎武田薬品でレアディジーズビジネスユニットのヘッドを歴任 女性初の神戸支店長も

同社は、現・笠茂公弘代表取締役社長が就任した2019年以降、平均事業成長率は20%超を達成し、事業規模は1000億円を超えるまで急成長を遂げた。この流れを引き継ぐ濱村次期社長は、武田薬品で女性初の神戸支店長を経験したほか、その後、同社JPBU・レアディジーズビジネスユニットのヘッドを歴任するなど、希少疾患の課題や診断コンソーシアム、患者サポートプログラムなどに精通している。

濱村次期社長は、「基礎疾患のリーディングカンパニーとして更なる成長を図る。より多くの希少疾患の患者や家族に寄り添う気持ちを大切に、アンメットニーズに応える治療薬を一つでも多くお届けする。そして患者中心の、より良い社会に向けて貢献する」-。アレクシオンファーマへの期待をこう語った。

◎「補体を超えた領域でもファーストインクラスまたはベストインクラスの医薬品に注力」

濱村次期社長が会見で示したアレクシオンファーマの成長戦略には、「希少疾患のリーディングカンパニーへの地位確立」が掲げられる。同社は、補体領域のパイオニアというイメージが強いが、濱村次期社長は、「補体を超えた領域でもファーストインクラスまたはベストインクラスの医薬品に注力する」と指摘する。すでに補体を超えた領域として、低ホスファターゼ症(HPP)治療薬・ストレンジックなど複数品目を揃えているところ。濱村次期社長は、同社の強みでもあるサイエンスベースの医薬品開発と新たなモダリティへの投資を継続することで、「補体領域と、補体を超えた領域で希少疾患のアンメットニーズに応える医薬品を今後も継続的に届けたい」と強調した。

◎価値最大化で3方針 日本に特化したポートフォリオ拡充 積極的に獲得したい

同社の価値最大化への取り組みについては、①より早く患者に医薬品を届けるための承認・上市の加速、②最速の市場浸透、③ポートフォリオの拡充-の3点をあげた。このうちポートフォリオの拡充について濱村次期社長は、「外資系の日本支社として珍しい戦略」と述べながら、「日本に特化した、あるいは日本を含む複数の国に特化したパイプラインをライセンス契約するというもの」と紹介。日本においては、ATTR心アミロイドーシスの効能を狙った治療薬・Acoramidisについて、「日本だけライセンスされている。このように日本だけでライセンスできるようなものがあれば積極的に獲得していきたい」と意欲を示した。

また、ヘルス・エクイティ(医療の公平性)にも言及し、「戦略的施策として“診断ラグ”の改善などに注力し、希少疾患の患者中心のより良い社会を目指す」との見解を披露した。

◎AZグループの一員として戦略的コラボレーションによる成長加速に期待感

このほかアストラゼネカ(AZ)・グループの一員として、戦略的コラボレーションによる成長加速に期待感を表明した。特に、AZの堀井貴史社長が武田薬品出身ということもあり、「今後もいろんなビジネスの良きパートナーとしてコラボレーション進めていけると思う」と濱村次期社長は語ってくれた。
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