住友ファーマは６月26日、米国基幹３製品等の特許権を含む全ての資産を、同社子会社及び孫会社から譲受することを決めたと発表した。対象製品は経口前立腺がん治療薬・オルゴビクス、過活動膀胱治療薬・ジェムテサ、子宮筋腫・子宮内膜症治療薬・マイフェンブリーの米国基幹３製品に加え、他家培養胸腺組織・リサイミックとなる。これら製品に関連する特許権・商標権等の無形資産や、これらに関連する原料・仕掛品・完成品の所有権、債権・債務等を譲受する。

これら製品の資産は現在、住友ファーマ子会社のSumitomo Pharma Switzerland GmbH（SMPS社）と、SMPS社の子会社であるUrovant Sciences GmbH（USG社）が保有している。この２社より住友ファーマに当該製品の資産を譲渡する。譲渡価格は約18億米ドルとなる見込みだが、SMPS社への貸付金との相殺等を通じて精算する予定。資産譲渡は８月１日付で行う。

経営再建の途上にある住友ファーマでは、米国基幹３製品の早期の売上収益の最大化が再建のカギを握っている。住友ファーマにとって重要性がより高まる米国事業の運営に、より直接的に関与する体制を構築するため、３月には米国基幹３製品を販売するSumitomo Pharma America, Inc.（SMPA社）やSMPS社を子会社化した。そして今回、「住友ファーマが米国事業の収益に深くコミットする」ため、米国基幹３製品等の資産を譲受することにした。住友ファーマが特許権などを保有し、製品供給者となることで、当該製品を直接管理・運営できるようにする。