Krystal Biotech 初の塗布する遺伝子治療薬・バイジュベックゲルの承認取得 25年末までに発売予定
公開日時 2025/07/29 04:50
Krystal Biotech Japanは7月28日、希少な遺伝性皮膚疾患である栄養障害型表皮水疱症(DEB)に対する遺伝子治療薬・バイジュベックゲル(一般名:ベレマゲン ゲペルパベク)の承認を取得したと発表した。承認日は24日。DEBの皮膚創傷部に週1回塗布する局所ゲル剤で、塗布するタイプの遺伝子治療薬は国内初となる。同社は日本での販売開始時期について、「現在進行中の薬価収載手続きに依存する」としたものの、「2025年末までに予定されている」としている。
【承認品目】(カッコ内は一般名、製造販売元)
▽バイジュベックゲル(ベレマゲン ゲペルパベク、Krystal Biotech Japan):「栄養障害型表皮水疱症」を効能・効果又は性能とする再生医療等製品。希少疾病用再生医療等製品。条件及び期限付承認への該当性は「非該当」。
単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)ベースの遺伝子治療薬。効能・効果とする栄養障害型表皮水疱症(DEB)は、VII型コラーゲンα1鎖(COL7A1)遺伝子変異により、VII型コラーゲン(COL7)タンパク質の産生が不足し、皮膚と粘膜組織に影響を及ぼす希少な遺伝性皮膚疾患。国内患者数は250人~500人程度とされる。
バイジュベックは、ケラチノサイトおよび線維芽細胞に感染して正常なCOL7A1遺伝子を創傷部に送達し、COL7タンパク質を補うことでDEBの創傷を改善する。用法・用量は「通常、週1回、本品の液滴を約1cm×1cmの格子状になるように皮膚創傷部に滴下塗布する。創傷面積1cm2あたりの投与量は2×107PFU(10μL)を目安とする」。投与対象者の年齢制限はなく、出生時から投与可能。在宅投与を想定した製品という。
製造販売後、登録期間(3年6カ月)における約200例(登録期間内に本品を使用した全ての患者を登録する)を対象として、長期の安全性及び有効性を検討するための一般使用成績調査を実施する。調査期間は販売開始から9年6カ月。