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厚労省 7製品の適応追加など承認 ビラフトビに結腸直腸がん1次治療 オータイロにNTRK陽性固形がん

公開日時 2025/11/21 04:50
厚生労働省は11月20日、7製品の適応追加や用法追加を承認した。小野薬品のBRAF阻害薬・ビラフトビにBRAF遺伝子変異陽性結腸・直腸がんの1次治療が追加されたほか、ブリストル・マイヤーズ スクイブのROS1阻害薬・オータイロにがん種横断適応となるNTRK融合遺伝子陽性固形がんの適応が追加された。

適応追加などが承認された製品は次の通り(カッコ内は一般名、製造販売元)。投与経路順及び薬効分類順。

〈適応追加等7製品〉
ビラフトビカプセル50mg、同カプセル75mg(エンコラフェニブ、小野薬品):「BRAF遺伝子変異を有する治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。薬効分類429。

BRAF阻害薬。現在、大腸がんに対しては、「がん化学療法後に増悪したBRAF遺伝子変異を有する治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん」との適応となっており、2次治療以降での使用が想定されているが、今回、「がん化学療法後に増悪した」が削除され、1次治療が追加された。

1次治療の用法・用量は、「セツキシマブ(遺伝子組換え)及び他の抗悪性腫瘍剤との併用、又はセツキシマブ(遺伝子組換え)との併用において、通常、成人には300mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する」。厚労省の担当者は、「ファーストラインで本剤とセツキシマブとFOLFOX療法の併用を念頭に効能と用量を追加するもの」と説明している。

オータイロカプセル40mg、同カプセル160mg(レポトレクチニブ、ブリストル・マイヤーズ スクイブ):「NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形がん」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。薬効分類429。

ROS1阻害薬。現在のROS1陽性の非小細胞肺がんの適応に、今回、がん種横断適応となるNTRK陽性固形がんが追加された。今回の適応追加もあって、中外製薬の遺伝子変異解析プログラム「FoundationOne CDxがんゲノムプロファイル」に、レポトレクチニブのNTRK融合遺伝子陽性固形がんに対するコンパニオン診断が承認された。

オータイロの今回の追加適応の用法・用量は、「通常、以下の用量を1日1回14日間経口投与する。その後、同用量を1日2回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する」となっており、成人には1回160mg、4歳以上の小児には▽体重30kg以上で1回160mg、▽30kg未満で1回120mg―と規定されている。

なお、国内でがん種を問わないNTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形がんの適応を持つ薬剤には、ロズリートレクやヴァイトラックビがある。

ベネクレクスタ錠10mg、同錠50mg、同錠100mg(ベネトクラクス、アッヴィ):「慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。再審査期間は残余期間(令和9年9月19日まで)。薬効分類429。

経口BCL-2阻害薬。現在の「再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)」の適応から「再発又は難治性の」が削除され、1次治療が追加された。

1次治療の用法・用量は「他の抗悪性腫瘍剤との併用」となっている。この日、併用薬となるヒト化抗CD20モノクローナル抗体・ガザイバ(一般名:オビヌツズマブ(遺伝子組換え))、又はBTK阻害薬・イムブルビカ(イブルチニブ)が、それぞれベネクレクスタとの併用を可能とする電子添文改訂が行われた。ベネクレクスタの今回の1次治療の承認が了承された10月29日の薬事審・医薬品第二部会後、厚労省の担当者は「オビヌツズマブ又はイブルチニブとの併用を念頭に置いた申請になっている」と説明していた。

なお、国内では、いずれもBTK阻害剤のイムブルビカ、カルケンス、ブルキンザがCLL/SLLの1次治療の適応を持っている。

ベオビュ硝子体内注射用キット120mg/mL(ブロルシズマブ(遺伝子組換え)、ノバルティスファーマ):「〇中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性、〇増殖糖尿病網膜症」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。再審査期間は残余(令和10年3月24日まで)。薬効分類131。

眼科用VEGF阻害剤。中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性(nAMD)の適応について、現在の導入期の用法・用量は「4週ごとに1回、連続3回硝子体内投与する」となっており、今回、「6週ごとに1回、連続2回硝子体内投与するが、症状により1回追加投与できる」が追加され、選択肢が増えた。

また、現在のnAMDと糖尿病黄斑浮腫(DME)の適応に「増殖糖尿病網膜症(PDR)」が追加された。

ダラキューロ配合皮下注(ダラツムマブ(遺伝子組換え)/ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)、ヤンセンファーマ):「高リスクのくすぶり型多発性骨髄腫における進展遅延」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。再審査期間は残余期間(令和11年3月22日まで)。薬効分類429。

抗CD38抗体/ヒアルロン酸分解酵素配合剤。ダラキューロは多発性骨髄腫(MM)1次治療の適応を持っており、今回、くすぶり型(無症候性)MMに適応が広がった。

くすぶり型MMは、MMの無症候性の前駆状態であり、異常な形質細胞が骨髄内で検出されるが、無症状との特徴がある。現在はMMに進行するまで治療されておらず、標準的なアプローチとして生化学的な病勢進行及び/又は末端の臓器障害発現まで経過観察とし、症候性となってから治療を開始している。今回、MMへの進行リスクの高い患者に対して、早期からの治療介入を可能とするもの。

用法・用量は単独投与の追加であり、「通常、成人には本剤1回15mL(ダラツムマブ(遺伝子組換え)として1800mg及びボルヒアルロニダーゼアルファ(遺伝子組換え)として30000単位(2000単位/mL))を皮下投与する。28日間を1サイクルとし、第1及び2サイクルは1週間間隔で4回(1、8、15、22日目)、第3~6サイクルは2週間間隔で2回(1、15日目)、第7サイクル以降は4週間間隔で1回(1日目)皮下投与する。ただし、投与期間は3年間までとする」。

ユプリズナ点滴静注100mg(イネビリズマブ(遺伝子組換え)、田辺三菱製薬):「IgG4関連疾患の再燃抑制」を効能・効果とする新効能医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。薬効分類639。

抗CD19抗体。現在、視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)に係る適応を持っており、今回、IgG4関連疾患に係る適応が追加された。用法・用量は同じ。

IgG4関連疾患は、B細胞活性化によるIgG4陽性形質細胞が全身に浸潤し、複数の臓器で腫大、結節・肥厚性病変や線維化を伴う進行性の疾患であり、寛解期と予測不能な疾患再燃を特徴とする。有病率は全世界で10万人中5人と推定されているという。

アネメトロ点滴静注液500mg(メトロニダゾール、ファイザー):「○嫌気性菌感染症<適応菌種>本剤に感性のペプトストレプトコッカス属、バクテロイデス属、プレボテラ属、ポルフィロモナス属、フソバクテリウム属、クロストリジウム属、ユーバクテリウム属、<適応症>敗血症、深在性皮膚感染症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、骨髄炎、肺炎/肺膿瘍/膿胸、骨盤内炎症性疾患、腹膜炎/腹腔内膿瘍、胆嚢炎/肝膿瘍、化膿性髄膜炎、脳膿瘍、○感染性腸炎<適応菌種>本剤に感性のクロストリジウム・ディフィシル、<適応症>感染性腸炎(偽膜性大腸炎を含む)、○アメーバ赤痢(小児用量の追加)」を効能・効果とし、小児用量を追加する新用量医薬品。事前評価済公知申請。薬効分類6419。

今回、小児用量が追加された。事前評価済み公知申請品目であり、保険適用済み。
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