【MixOnline】パンくずリスト
【MixOnline】記事詳細

生和会グループ 患者との会話から生成AIが診療録作成 業務時間を3か月で2000時間削減 削減率66%

公開日時 2025/08/04 04:52
全国40か所超で病院・介護施設等を展開する生和会グループは、関西圏の9つのリハビリテーション病院を対象に「AI業務改善委員会」を設置した。臨床現場で患者と医療従事者の会話からAIが診療録を作成する「medimo」の検証を行ったところ、セラピストの間接業務が3か月間で約2000時間以上削減できることを確認した。このほか、①診療録以外の業務でも活用できる、②セラピスト以外の職種でも活用できる―の2点を確認したため、9病院に「medimo」を導入し、医師、看護師、リハビリテーション専門職をはじめとする多職種連携と業務プロセスの最適化、医療サービスの質向上を加速させる方針。

生和会グループ・SDX研究所は、同グループの医療法人せいわ会彩都リハビリテーション病院、医療法人せいふう会川西リハビリテーション病院、株式会社medimoと共同してリハビリ分野に特化した生成AIソリューションの開発を進めてきた。過去2回にわたり行った検証では、診療録の作成時間と業務負担感の両面で大幅な改善が得られましたという。

◎診療録の作成に対する主観的負担感を約50%軽減

SDX研究所によると、対象となったセラピストの全てにおいて時間短縮を確認し、平均削減率は約66%に達した。さらに、診療録の作成に対する主観的負担感を約50%軽減でき、導入前と比べ3か月で合計約2000時間の削減効果を確認した。今後は、関西圏の9つのグループ病院に「medimo」を段階的に導入し、医師・看護師をはじめとする多職種の業務での実用性を検証する。さらに、AIアプリケーションや外部企業の先進ソリューションも積極的に採用することにしており、グループ全体でAI活用を一層推進したい考えだ。

◎関西圏のリハビリテーション病院9施設に「AI業務改善委員会」を発足

なお、関西圏の9つのリハビリテーション病院が連携し、AIを活用した業務改善を推進する「AI業務改善委員会」を発足した。改善委員会は、既存の業務フローを精査し、①AIでは対応が難しい業務、②AIで代替・支援できる業務-を切り分けたうえで、優先度の高い案件から順次PoC(概念実証)を実施する。また、一般的な間接業務の効率化にとどまらず、医療現場における高度専門業務を支援する独自AIアプリケーションの開発を加速する。外部サービスでは費用対効果の課題から導入を見送った領域についても、グループ内向けに自社開発を行うことで、機能の最適化とコスト抑制を両立させたい考え。さらに、院内で実証した機能は外部提供も視野に、医療全体の質向上に資するエコシステムの構築を目指す。

SDX研究所は、「創出された時間をどのように高付加価値業務へ再配分するか、またAIが日常業務に浸透した際に“人にしかできない仕事”は何かを徹底的に探求し、最終的には患者さまに提供する医療の質をさらなる高みへ引き上げたい」としている。

プリントCSS用

 

【MixOnline】コンテンツ注意書き
【MixOnline】関連ファイル
【MixOnline】記事評価

この記事はいかがでしたか?

読者レビュー(7)

1 2 3 4 5
悪い 良い
プリント用ロゴ
【MixOnline】誘導記事
【MixOnline】関連(推奨)記事
【MixOnline】関連(推奨)記事
ボタン追加
【MixOnline】記事ログ
バナー

広告

バナー(バーター枠)

広告

【MixOnline】アクセスランキングバナー
【MixOnline】ダウンロードランキングバナー
記事評価ランキングバナー