独・バイエル グローバルで多様な共創モデル構築へ ヤヌス氏「イノベーションはどこでも起きる」
公開日時 2025/09/04 04:49

ドイツ・バイエル社 リージョナル事業開発およびBayer Co.Lab責任者 フリードマン・ヤヌス氏は9月3日のプレスセミナーで、「イノベーションはどこでも起きる」と述べ、世界的なイノベーション・ネットワーク構築に意欲をみせた。ネットワークのハブとなる「Bayer Co.Lab」に加え、物理的に拠点外の企業を対象とした拡張プログラム「Bayer Co.Lab Connect」を立ち上げるなど、様々な形で同社の描く共創モデルを実現したい考えを示した。
ヤヌス氏は、医薬品開発に際して外部からのイノベーションの重要性を強調。同社は、ライフサイエンス・インキュベーターのネットワーク「Bayer Co.Lab」は、米ケンブリッジ、独ベルリン、中国・上海、日本の神戸に拠点を置く。ヤヌス氏は、「単に4拠点やイノベーションハブがあるだけでなく、グローバルなつながり、グローバルネットワークの構築に真剣に取り組んでいるということ」と説明した。ただ単に場所を貸すわけではなく、各分野のグローバルな専門家からのメンタリングを受けられるなどの特徴があるとメリットを説明した。一方で、「バイエルのひも付きではない」と強調し、必ずしもバイエルとパートナーシップを結ぶ義務はないと説明した。すでに、資金調達を通じて臨床試験を進めるなど、成功事例があがっているという。
◎リジェネフロ社・森中氏 専門的なメンタリングや投資家紹介などのメリットも
初めて実施したBayer Co.Lab Connectでは、コンペを行い、京都大発のスタートアップ・リジェネフロ社とスイスのNXI Therapeutics社が採択された。BIO International Convention 2025の期間中にボストンで開催されたネットワーキングイベントに参加し、さまざまなステークホルダーとつながる機会を提供したという。資金調達の観点から米国の魅力を説明し、米国のエコシステムとつながることのメリットを強調した。
リジェネフロ社の森中紹文代表取締役CEOは、グローバル化と資金調達の課題に直面していたため、課題解決に向けてBayer Co.Lab Connectに応募したと説明した。そのうえで、「バイエルの専門的なアドバイスやメンタリングをいただいたり、米ボストン/ケンブリッジの投資家の方を紹介いただいたり、大きな支援をしていただいている」と述べた。