KMバイオ デュアルユースの新施設、27年に完成へ 有事はパンデミック用ワクチン製造
公開日時 2025/11/10 04:49

KMバイオロジクスは11月7日、熊本県菊池市の菊池研究所内に建設する新施設・KD棟の起工式を行った。平時はバイオ医薬品の製造、感染症パンデミック発生時にはワクチン製造へ切り替えるデュアルユース設備で、完成は2027年度内を目指している。
(写真:KMバイオロジクス株式会社 提供)
新施設の整備は、同社が22年9月に採択された経済産業省の「ワクチン生産体制強化のためのバイオ医薬品製造拠点等整備事業」の一環。平時は5種混合ワクチンに使用するジフテリアトキソイドや百日せき抗原、および細胞培養日本脳炎ワクチンを製造。有事の際はウイルス・微生物の培養技術を活用してパンデミック用ワクチンの製造に切り替える計画だ。
また同社では、整備事業として、新型インフルエンザや新型コロナウイルス用の原液を製造する既存設備の改修も進めており、27年度内の完成を目指している。
新施設について同社では、「有事を見据えた製造体制を整えることで、供給を途切れさせることなく緊急対応も可能になる。製造体制の強靭化を図るとともに、パンデミック対応の幅を広げるという意義をもち、しっかりと取り組んでいきたい」とコメントしている。