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日本化薬 25年度中間期 BS売上伸長で10.2%増収 イブトロジー発売「早期拡大を強力に進める」川村社長

公開日時 2025/11/13 04:49

日本化薬は11月12日の2025年度第2四半期(中間期)決算説明会で、ライフサイエンス事業領域の売上高が前年同期比8.4%増の331億円となり、うち医薬事業は、バイオシミラー(BS)の売上伸長を要因に10.2%増の282億円となったと発表した。25年7月にアムジェンが販売中止手続きの開始を発表したアバスチンのBS市場において、同社のベバシズマブBS「CTNK」のシェアが大幅に拡大した。また、同社は、この日、ROS1陽性非小細胞肺がん治療薬・イブトロジーの発売を発表。川村茂之代表取締役社長は説明会で、「新薬売上の早期拡大を強力に進めていきたい。また、他社で終売していくような製品が増えてきており、供給を代わりにやっていくビジネスも行って、市場シェアを拡大し価格を安定化させることで利益率を上げていきたい」と述べた。

25年度中間期決算では、医薬事業のうち、GE(ジェネリック抗がん薬)の売上高は3.8%増の111億円と堅調に推移するとともに、BSの売上高は45.6%増の73億円と大幅に伸長した。22年11月にアバスチンのBS として4番手で参入したベバシズマブBS「CTNK」の市場シェアは、他社代替を受けて6月時点の約30%から9月に約50%に拡大したという。また、23年11月にヒュミラのBSとして4番手で参入したアダリムマブBS「CTNK」の市場シェアも9⽉に約14%(第1四半期決算発表時13%)に拡大したという。

中間期のライフサイエンスの部門営業利益は、医薬事業における導入契約の⾒直しに伴う費⽤負担変更で、研究開発費が減少したことにより48.1%増の53億円と2桁増益となった。

◎高崎工場に42億円投じて統合品質保証棟を建設中 バイオ製造ラインも新設へ

島田博史代表取締役専務執行役員(ライフサイエンス事業領域管掌兼医薬事業部⻑)は、GE(ジェネリック抗がん薬)の品質保証体制の整備を目的に、高崎工場に42億円を投じて統合品質保証棟を建設中であることや、BSの安定供給確保に向け、他社撤退等による代替供給に対応するため、同工場にバイオ製造ラインを新設していることを説明。「高崎工場を既存の抗がん剤の日本の供給基地とすることを掲げている。さらに抗がん剤とバイオの工場に変革させようとしている」と述べた。

島田医薬事業部長は、新薬の注力ポイントとして、▽イブトロジー新発売、▽扁平上皮非小細胞肺がん治療薬・ポートラーザの適応拡大(食道がん及び胃がん)に向けた開発推進、▽積極的な導入—を挙げた。イブトロジーについて「既存の治療が抱える課題(脳内への移⾏性や神経学的副作⽤等)の克服を⽬指して設計されたベスト・イン・クラスの製剤候補として期待している」とした。

◎川村社長 26年度から10年間の新⾧期経営計画「Evolution 2035」の策定方針を説明

25年6月に就任したばかりの川村社長は26年度から10年間の新⾧期経営計画「Evolution 2035」(26~35年度)の策定方針を説明し、「日本化薬のことをこれまで長くご覧いただいてきて、非常にまじめで、着実に仕事をしていく会社だと認識していただいていると信じているが、そういった良さを保ちながら、さらにスピードを持ってチャレンジをしていく風土に変えていきたい」と決意を示した。

次期中計(26~28年度)では、現中計「KAYAKU Vision 2025」(22~25年度)で未達となる見通しのROE8%を早期に達成し、2桁以上を目指すとした。

ライフサイエンス事業領域
【中間期業績(前年同期比)25年度予想(前期比)】
売上高 331億円(8.4%増)713億円(9.7%増)←修正前710億円
うち医薬 282億円(10.2%増)597億円(11.6%増)←修正前595億円
部門営業利益 53億円(48.1%増)93億円(45.3%増)←修正前79億円


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