楽天メディカル・前田次期CEO 5年以内に光免疫療法の対象拡大「米国の承認取得が次のステージ」
公開日時 2026/06/15 04:51

楽天メディカルの次期CEOに就任する前田陽プレジデントは6月12日のメディア懇談会で、「米国での承認取得が事業の次のステージとして必要」と強調した。また、グローバル事業に打って出るための、「執行体制を作っていきたい」と意気込んだ。同社が注力するアルミノックス治療(光免疫療法)の対象疾患の拡大についても触れ、「頭頸部がんに次ぐ適応症を、今後5年以内に取り、このプラットフォームの可能性を示していきたい」と述べた。
同社は、「最優先事項」と位置付ける2028年の米国での承認申請に向け、再発頭頸部がんに対する一次治療としてASP-1929(一般名:セツキシマブ サロタロカンナトリウム、国内販売名:アキャルックス)を用いたアルミノックス治療と抗PD-1抗体薬・ペムブロリズマブの併用療法を検証する国際共同第3相臨床試験を進めている。臨床試験は、米国、台湾、日本、ウクライナの30施設以上の医療施設で行われ、患者登録は計画を上回る進捗で進んでいるという。
ASP-1929は、抗EGFR抗体のセツキシマブに光感受性物質である色素IRDye700DX が結合した抗体-光感受性物質複合体。専用のレーザ機器を用いて照射することで、ASP-1929が局所的に励起されて光化学反応を起こし、がん細胞を選択的に壊死すると考えられている。
◎国内では治療拠点数が200カ所超 頭頸部がん患者の「7、8割をカバーできている」
国内でASP-1929はアキャルックスとして20年9月に切除不能な局所進行または局所再発の頭頸部がんを効能・効果とする製造販売承認を取得した。アルミノックス治療を提供できる医療施設は200か所を超えている。前田プレジデントは「7、8割の頭頸部がん患者さんはカバーできている状況で、ある程度の最適解にきている」と現状を説明。上咽頭がんでの研究発表やリアルワールドデータの蓄積といった成果に加え、光の照射など手技の発展によって治療成績の向上もみられているとして「医師との議論を重ねながら、さらに有効性や安全性に磨きをかけていきたい」と述べた。
このほか、食道がんや婦人科領域のがんで医師主導治験が国内で行われており、膵臓がんも米国での医師主導治験が開始予定。前田プレジデントは「頭頸部がんにとどまらず、『ガン克服。』を目指して研究開発を進めていきたい」と述べた。
同社は、がん光免疫療法を基にした治療技術基盤「アルミノックスプラットフォーム」による新たな治療法の開発や販売を手掛ける。米国での早期上市を見据え、7月1日付で前田プレジデントがCEOに就任し、三木谷浩史CEOがエグゼクティブ・チェアマンに就く経営体制の移行を発表している。