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薬食審・第二部会 新薬など6製品審議、承認了承 オプジーボで非小細胞肺がんの効能追加

公開日時 2015/12/01 03:50

厚労省の薬食審医薬品第二部会は11月30日、新薬など6製品の承認可否について審議し、全て承認することを了承した。この中に、小野薬品のがん免疫療法に用いるPD-1免疫チェックポイント阻害薬オプジーボへの「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」の効能追加が含まれる。

【審議品目】(カッコ内は成分名と申請社名)

ルコナック爪外用液5%(ルリコナゾール、佐藤製薬):「爪白癬」を効能・効果とする新効能・新剤形医薬品。再審査期間4年。

イミダゾール系抗真菌薬。真菌の細胞膜の構成成分であるエルゴステロールの合成阻害作用により抗真菌作用を示す。1日1回罹患爪全体に塗布する。同様の効能・効果の外用薬にはクレナフィン爪外用液10%(エフィナコナゾール)があり、同剤は新たな治療選択肢のひとつとなる。海外では15年8月現在、同剤と同じ5%液剤が承認されている国・地域はないが、低濃度(1%)製剤は米国など5か国で足白癬などの治療薬として承認されている。

レミケード点滴静注用100(インフリキシマブ(遺伝子組換え)、田辺三菱製薬):「川崎病の急性期」の効能・効果を追加する新効能・新用量医薬品。再審査期間10年。希少疾病医薬品。未承認薬・適応外薬検討会議の開発要請品目。

川崎病患児では血清中TNFα濃度が高値であることからが知られており、同剤でTNFαを阻害することで川崎病の症状を改善する。川崎病は主として4歳以下に好発する全身の血管炎を主症状とする原因不明の疾患。急性期では静脈用人免疫グロブリン(IVIG)療法が標準的治療に位置づけられているが、約15%(推定約1650人)が初回IVIG療法に不応とされる。同剤は、海外では川崎病に対する開発は行われていない。

タルグレチンカプセル75mg(ベキサロテン、ミノファーゲン製薬):「皮膚T細胞性リンパ腫」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間10年。希少疾病医薬品。

全例調査を行う。日本の皮膚T細胞性リンパ腫の患者数は推定約2000人。同剤は合成レチノイドで、レチノイドX受容体に結合してアポトーシス誘導及び細胞周期停止作用により、腫瘍の増殖を抑制すると考えられている。類薬にはゾリンザカプセル(ボリノスタット)などがあり、同剤は治療選択肢のひとつとなる。海外では15年8月現在、欧米など39の国・地域で承認されている。

オプジーボ点滴静注20mg、同点滴静注100mg(ニボルマブ(遺伝子組換え)、小野薬品):「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」の効能・効果を追加する新効能・新用量医薬品。再審査期間5年10か月。優先審査品目。

全例調査を行う。PD-1の細胞外領域(PD-1リガンド結合領域)に結合し、PD-1とPD-1リガンドとの結合を阻害することで、がん抗原特異的なT細胞の活性化とがん細胞に対する細胞障害活性を増強し、腫瘍の増殖を抑制すると考えられている。用法・用量は、1回3mg/kg(体重)を2週間間隔で点滴静注する。なお、既存適応症の「根治切除不能な悪性黒色腫」では1回2mg/kg(体重)を3週間間隔で投与する。海外では、扁平上皮非小細胞肺がんの効能・効果で34の国・地域で承認(15年8月現在)され、非扁平上皮非小細胞肺がんでは米国で承認(15年10月現在)されている。

プロボコリ吸入粉末溶解用100mg(メタコリン塩化物、三和化学研究所)
ケンブラン吸入粉末溶解用100mg(メタコリン塩化物、参天製薬)
:「気道過敏性検査」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。未承認薬・適応外薬検討会議の開発公募品目。

メタコリンはコリン作動薬。同薬を用いた気道過敏性検査は非典型的な臨床像を呈する気管支喘息の確定診断や、喘息治療のモニタリング及び喘息重症度の客観的な評価に用いられる検査法として確立している。これまで同検査は研究用試薬を用いて行われていたが、日本アレルギー学会が開発要望し、三和化学が成人用として、参天が小児用として手上げ。そして両社で共同開発し、両剤とも成人、小児の効能・効果を持つ。日本で同様の効能・効果で承認されている薬剤はない。海外では15年9月現在、7か国で承認されている。

【報告品目】(カッコ内は成分名と申請社名)
報告品目は、PMDAの審査の段階で承認が了承され、部会での審議が必要ないと判断された製品。

レブラミドカプセル2.5mg、同カプセル5mg(レナリドミド水和物、セルジーン):多発性骨髄腫の未治療にも使えるようにする新効能医薬品。再審査期間は残余(2020年6月24日まで)。

これまでの効能・効果だった「再発又は難治性の多発性骨髄腫」から、「再発又は難治性」を削除し、未治療患者にも使えるようにする。未治療患者でもこれまでと同様、デキサメタゾンと併用して用いる。海外では15年6月現在、未治療の多発性骨髄腫に関する効能・効果として32か国で承認されている。

コセンティクス皮下注150mgシリンジ、同皮下注用150mg(セクキヌマブ(遺伝子組換え)、ノバルティス ファーマ):「既存治療で効果不十分な膿疱性乾癬」の効能・効果を追加する新効能医薬品。再審査期間は初回承認時の残余期間(2022年12月25日まで)。

膿疱性乾癬患者は推定1843人、乾癬全体の約1%とされる。既承認のレミケードと同じ臨床上の位置付けの生物製剤で、第一選択薬のシクロスポリンやエトレチナートが効果不十分な膿疱性乾癬患者に対して新たな治療選択肢を提供するもの。海外では中等症から重症の局面型皮疹を有する乾癬(局面型皮疹を有する膿疱性乾癬含む)に対して、15年1月に欧米で承認されている。

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