加藤厚労相 超高齢社会で健康寿命延伸に意欲「未病への挑戦が大きな課題」

公開日時 2018/02/26 03:52
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加藤勝信厚労相は2月24日、日本医療政策機構主催のセミナーで講演し、今後到来する高齢化、人口減少時代を見据え、医療・介護の改革に加え、「健康長寿をどう作っていくか。未病や予防などの分野にどう挑戦していくかも大きな課題だ」と私見を交えて語った。加藤厚労相は、社会保障制度を考える上で、高齢化以上に生産年齢人口の減少が社会保障制度に与える影響を強調。「医療・介護だけでなく生活支援、住み続けられる環境、地域包括ケアシステムをどう作っていくか。それが私たちの向かった大きな使命だと思っている。改革をしっかり進めていきたい」と述べた。その上で、「予防に関して、医療保険はほとんど対応できているわけではない。しかし、予防をしっかりやれば、病気になりにくくなり、医療保険にも影響する。予防の分野はかなり広範だ。誰がどういう形で担っていくのか。しっかりこれから議論していきたい」と問題意識を語った。

◎地域に合致した病院機能発揮 カギ握る連携 働き方改革も一体的な議論を

2018年度は、診療報酬・介護報酬同時改定だけでなく、第7次医療計画、第7期介護保険事業計画がスタートする年度でもある。2025年の医療ニーズに合致する医療提供体制の在り方を検討し、各都道府県で策定した地域医療構想も実行段階へと移る。加藤厚労相は、「私立病院が多い中で、地域の中でどう連携し、急性期・回復期・慢性期を地域のニーズ・量に合った機能として作っていくかが大きな課題だ」と述べた。多死時代を迎える中で、在宅や特別養護老人ホームでの看取りも課題になる。加藤厚労相は、医療ニーズの高い要介護者についての対応する必要性も指摘し、「保険制度の違いはあるが、医療・介護がしっかり連携していく」ことの重要性を強調した。

地域包括ケアシステムの中核を担う医師については、労働時間の長さなどから、働き方改革が検討されてきた。看護師など他職種へのタスク・シフティング、タスク・シェアリングなども検討されているが、加藤厚労相はその根底に、医師の偏在があることを指摘。「将来、どういう病院体系を作っていくか。働き方改革と一体でなければ答えは出ない」との考えも示した。

◎RWDの利活用など日本創薬力強化プランは「積極的な活用を」

新薬創出等加算の見直しなどが断行された薬価制度抜本改革についても説明した。加藤厚労相は、「必要な薬が適切な薬価で提供される」必要性を強調。適切な価格とは、「私たちが負担できるような薬価でないと継続できない」とし、イノベーションと医療保険とのバランスを取ることが重要との考えを示した。一方で、「バランスを図ると、先進的なものは取り込めないのではないかという話になる。日本で、できるだけ世界最先端の医療を受ける体制が必要だ。それぞれの国によって適正は違うということもある。日本人に合った最先端な薬を使っていく、そのための改革、そのための予算を入れ込んでいる」と説明。2018年度予算案で、厚労省分として529億4000万円を確保した「日本創薬力強化プラン(緊急政策パッケージ)」を示した。パッケージには、早期承認制度やリアルワールドデータ(RWD)の活用も含まれており、「患者が決して多くない疾病に対する薬を支援する対策も入れさせていただいている。創薬関係の方には積極的に使っていただきたい」と呼びかけた。

最先端の医療としては、がんゲノム医療による個別化医療を推進していることも説明した。一度に複数の遺伝子を検査できる遺伝子パネルの早期承認・保険導入も見据える。加藤厚労相は、「最先端の動きを日本の中にしっかり取り組むことで、一人ひとりにとって最適な医療ができる。日本で体制を作っていくことも重要だが、世界で最先端の話をうまく活用することも考えないといけない」との考えも示した。

◎データヘルス改革「結果として効率的な医療につながる」

こうしたがんゲノムや予防や介護サービスへのビッグデータの活用を見据えたデータヘルス改革も横断的に進められている。各地域で先進事例があることから、「事例もうまく活用しながらナショナルデータを作る。結果として効率的な医療にもつながっていく」との見方を示した。ただ、「ひとつの課題は、データヘルスと簡単に言うが、誰が入力して誰が分析し、誰がデータを持つかということだ。これについては今のところしっかりした答えはない」と問題意識も示した。

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