中医協総会が費用対評価制度化の骨子了承 製薬協は声明で「医薬品の多面的価値評価」求める

公開日時 2019/02/21 03:50
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中医協は2月20日の総会で、4月から本格導入する費用対効果評価の骨子を診療・支払各側が了承した。2012年以降、中医協で7年間議論が継続されてきた費用対効果評価がいよいよ制度化される。これを受け日本製薬工業協会(製薬協、中山讓治会長)は同日、声明を発表。「医薬品の研究開発・安定供給を継続していくうえで厳しい内容と言わざるを得ない」とコメントした。また、医薬品の多面的価値を評価する加算体系の再編など、「費用対効果評価の制度運用における改善に加え、薬価基準制度全体の見直しについても、業界として積極的に提言を行っていく」との構えを明示した。なお、製薬協は先日公表した「政策提言2019」を通じ、医薬品の多面的価値の評価を求めている(関連記事)。

費用対効果評価の結果は、保険収載後の価格調整に活用する。保険償還の可否判断には用いない。対象品目は、有用性加算が算定されたピーク時売上高100億円以上の新規薬価収載品や、市場規模1000億円以上の既収載品を中心とした、年間10品目程度。市場規模50~100億の新規薬価収載品は“評価候補品目”に位置付ける。治療法が十分存在しない希少疾患や小児のみに用いられる品目は対象から除外されるが、年間売上高350億円以上の品目や薬価の高い品目は中医協の判断で対象にできる(関連記事)。

価格調整は、増分費用効果比(ICER)に基づき、調整対象に計数をかける形で算出。価格調整の対象は基本的には有用性系加算などの加算部分だが、原価計算方式で算定され、開示度が50%未満の品目は「加算部分+営業利益」を対象とする。原価計算方式で算定され、開示度が50%未満だが、有用性加算などを取得していない品目は営業利益を価格調整の対象範囲。具体的には、ICERが500万円/QALY以下の場合は価格を維持する。ICERが500~750万円/QALYの場合は有用性系加算を30%、営業利益率を17%引き下げる。ICERが750~1000万円/QALYの場合は有用性系加算を60%、営業利益率を33%、ICERが1000万円/QALY以上の場合は有用性系加算を90%、営業利益率を50%引き下げる。

◎下げ止めは10~15% 開示度低く加算取得ない品目は下げ止め対象外に


ただ、安定供給の観点から、有用性系加算の加算率に、応じて薬価の下げ止めを設ける。具体的には、▽25%以下:10%、▽25~100%:{10+(当該製品の有用性系加算率(%)-25)/15}%、▽100%以上:15%、となる。ICER500万円/QALYとなる価格」を下回らない価格とする。一方で、加算を取得しておらず、開示率が50%未満の品目は、下げ止めは設定されないこととなる。厚労省保険局の古元重和企画官は、「患者に必要な医薬品の安定供給を確保する」観点で設けたとして、「全ての品目が下げ止めに該当するわけではない」と説明した。

◎支払側・吉森委員 「ようやくスタートライン」 運用面に課題も


支払側の吉森俊和委員(全国健康保険協会理事)は、「これで完成されたというわけではなく、ようやくスタートラインに立った」と述べた。「運用面で課題は山積している」として継続的な検討を求めた。診療側の松本吉郎委員(日本医師会常任理事)も、「事例を積み重ねて諸外国の状況も踏まえて継続的に検討すべき」と述べた。

◎製薬協 薬価算定「加算体系の再編」求める

同日声明を発表した、日本製薬工業協会(製薬協、中山讓治会長)は改めて、費用対効果評価は既存の薬価制度の「補足的な手法として限定的に用いるべき」と主張した。総合的評価や対象品目選定、価値調整をあげ、「十分考慮されないまま制度化された」と反発した。

なかでも総合的評価については、「ICERによる評価に偏った方法」と改めて指摘した。そのうえで、ICERでは十分評価できない公的介護費や生産性損失など、医薬品の多面的価値を反映した制度設計を求めた。このほか、価格調整については有用系加算調整率の最大90%引下げを「過度な引下げ」と指摘し、「薬価算定時における加算体系のあり方についても見直しが必要」とした。対象品目については、有用性系加算を取得していない品目についても開示率が低い品目が対象となることについて触れ、「対象品目の選定基準がイノベーションの阻害につながるよう、注視していきたい」としている。

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