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PhRMA・カフォリオ会長 患者ファーストで医療費削減に寄与 

公開日時 2019/10/04 03:50
米国研究製薬工業協会(PhRMA)のジョバンニ・カフォリオ会長(ブリストル・マイヤーズスクイブ取締役会会長兼CEO)は10月3日、都内で会見に臨み、“患者ファースト”のアプローチにより、国民の健康寿命の延伸や医療費抑制に貢献できるとの考えを示した。患者視点で、医薬品のアクセス確保の重要性を指摘。健康長寿社会の実現に向けて、「まず、イノベーションを重視した政策(プロイノベーション)を進めないといけない」と述べ、新薬創出等加算の見直しなどを改めて訴えた。

カフォリオ会長は、「患者さん中心に考えることが医薬品業界の礎。アンメット・メディカルニーズがどういうものがあるか私たちが十分理解しないといけない」と述べた。PhRMA加盟企業は、がんや自己免疫疾患、アルツハイマー病などに巨額の研究開発投資を続けてきた。実際、PhRMA加盟企業12社で2017、18年度に承認された新薬の1/4を開発し、なかでも抗がん剤が多いとして、患者に貢献してきたと強調した。カフォリオ会長は患者調査の結果から、患者が医薬品アクセスを求めていると説明。「政策決定の場に、患者さんが参加する必要がある」と述べた。

そのうえで、2018年度薬価制度抜本改革に対して懸念を投げかけた。特に、新薬創出等加算に言及。内資系企業や大手企業に評価が偏ることへの懸念を露わにした。なかでも、会長会社の大型製品である経口抗凝固薬・エリキュース(一般名:アピキサバン)が、「最も処方量が多く、安全性も高い」にもかかわらず、新薬創出等加算から外れたことを例にあげ、反発。新薬創出等加算に、“3年・3番手以内”の条件が付いたことについて、「上市までのスピードは医薬品の価値を反映するものではない」として再考を求めた。

カフォリオ会長は、医薬品の価値に基づいた評価の重要性を強調した。「医薬品の価値は有効性、新規性のレベル、医療費を含めたコスト、QOLを加味した上で評価できるものだ」と説明。「おそらく日本政府が考えるよりも、幅広い観点を捉えて医薬品の価値を捉える必要がある」と述べた。医薬品の価値を考えるうえでも、医療従事者や行政、製薬企業、さらには患者を巻き込んだ対話が重要との姿勢を示した。

◎「真剣にリソース配分を考えている」 中国市場の台頭に言及


中国市場の台頭にも言及した。中国では承認期間の短縮や知財・特許保護など国をあげてイノベーション推進に取り組む。カフォリオ会長は、「真剣に、リソースをいかに効率的に世界各国に配分するかを考えている」と表明。「どこに投資するか。イノベーションが報われる国でないといけない。政府が政策を推進しイノベーションに報いる限り引き続き投資をしていく。ただ、中国でバイオ医薬品に報いる、研究開発投資が増えていく国があるのも事実だ」と、日本政府を牽制した。
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