英国立医療技術評価機構（NICE）は2月8日、グラクソ・スミスクライン（GSK）の抗PD-1抗体・ドスタルリマブについて、子宮内膜がんの適応でがん治療薬基金（CDF）の下での使用を推奨した。NHS（国民保健サービス）における通常使用ではない。同日、最終評価報告書（final appraisal document）を発表した。

現在、進行・再発子宮内膜がんはプラチナ製剤をベースとした化学療法施行後の選択肢はあるが、セカンドラインの標準療法はなく、予後も良好とはいえない状況だ。標準的な化学療法は入院し１日かかるが、同剤は約30分で済み、利便性に加え、医療資源の効率的な利用にも寄与するとみられている。英国では子宮内膜がんで毎年2162人が死亡すると推定され、今回の薬剤の推奨により124人が恩恵を受けることができるとされている。

NICE医療技術評価センター（CHTA）のHelen Knightプログラム部長は、「我々は、ドスタルリマブのような有望な新規治療法に患者が早くアクセスできるように取り組んでいる」と説明。同剤がMMRの機能欠損のある患者に対する初の免疫療法だとして、「現段階では、NHSによる通常使用は推奨できないが、比較データや長期エビデンスをさらに収集できるよう、CDFでの使用を推奨した」とコメントしている。なお、当該企業がCDFでの使用における割引価格については未公表である。