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協和キリン 悪性腫瘍治療薬候補・ザンデリシブ日本以外の開発中止 日本では申請の可能性を検討

公開日時 2022/12/07 04:51
協和キリンは12月6日、米MEI Pharmaと共同開発を進めていたB細胞悪性腫瘍治療薬候補・ザンデリシブの日本以外での開発を中止すると発表した。米国食品医薬品局(FDA)との協議による最新ガイダンスで、臨床試験のデザインや統計解析計画についての修正が求められたことを踏まえたもの。さらなる投資が必要なことに加え、計画していた期間内に臨床試験を完遂することが不可能だと判断した。同社は、「FDAの最新ガイダンスに基づく経営判断であり、ザンデリシブの臨床試験結果に基づくものではない」としている。国内では臨床試験を継続し、製造販売承認申請の可能性を検討するという。

◎FDA 申請にランダム化比較試験求める

両社は今年3月、再発または難治性の濾胞性リンパ腫患者を対象に単群で実施した臨床第2相試験(TIDAL)終了後のFDAとの面談のなかで、申請にはランダム化比較試験のデータが必要との指摘を受けた。FDAは単群での臨床試験では、データが十分ではないとして、「TIDAL試験(単群試験)結果に基づいた承認申請を推奨しない」という協議結果を公表。4月に開催されたFDAのがん治療薬諮問委員会でも、「血液悪性腫瘍に対するPI3K阻害剤の承認のためには、ランダム化比較試験のデータに基づき行われるべき」とされた。

◎FDA 試験デザイン、統計解析でさらなるガイダンス 「投資が必要なうえに期間内に完了することは不可能」

その後、現在進行中の臨床第3相ランダム化比較試験「COASTAL」について11月にFDAと面談を実施した。FDAは、COSTAL試験デザイン、統計解析計画についてさらなるガイダンスを提示。両社はこの結果を踏まえ、試験デザインの修正を含むさらなる投資が必要なことに加え、臨床試験を期間内に完了することは不可能との結論に至ったとしている。

国内では、再発または難治性の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫を対象に、国内臨床第2相試験「MIRAGE」をTIDAL試験と同様に単群で実施しており、良好な結果が得られたことを公表している。同社は日本での臨床試験を継続し、欧米で実施されたTIDAL試験のデータも踏まえて、日本での製造販売承認申請の可能性を検討するとしている。

◎鳥居研究開発本部長「国内での申請の可能性を当局と協議」


同社の鳥居義史執行役員・研究開発本部長は、「今回の決定を下すことになり、大変残念だ。第2相試験で得られたデータを踏まえると、日本人患者のアンメットニーズに応えるために、日本での開発プログラムを継続する可能性は残されていると考えている。私たちは、日本の第2相MIRAGE試験をはじめ、国内で実施している臨床試験を継続し、国内での製造販売承認申請の可能性について当局と協議していく」とコメントした。
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